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語り継がれる名作! 『仮面ライダーアギト』

1.アギトとは 「人間の未知なる可能性」

 私は、2001年に放送された『仮面ライダーアギト』という作品をこれからも語り継いでいかなくてはならない名作だと思っている。この作品には人間を作った神、超能力を持った人間(アギト)、ただの人間などが登場する。ちなみに、アギトとは「限りなく進化する力」のことで、「人間の未知なる可能性」である。そして、人間の未知なる可能性を恐れているのが人間を作った神(闇の力)である。この神はただの人間を愛しており、「人間は人間のままでいい」と考えている。つまり、神は人間を愛しているが、人間のアギトである部分を憎んでいるのである。

 2,人間の可能性を信じるか?

 私たちにとって身近な例として、親の子供に対する思いを挙げる。神のように「いつまでも私が愛せる人間のままでいてほしい」と子供に対して思う親は少なくないはずだ。自分の思い通りに動く子供は愛せるが、自分の思い通りに動いてくれない子供のことは愛せない親が多いのかもしれない。子供の中には親に用意された道を進むことが嫌な人もいるのにもかかわらずだ。ここで、私は問いたい。神(親)だからといって人間(我が子)の全てを分かるのだろうか、人間(子供)は神(親)の思い通りに生きなければならないのか…。

 確かに歴史を振り返ると、人間は強力な力を得ると、力に溺れ、悲劇を生み出すことがある。子供が力を持ちすぎると暴走することがあるように…。時として人間は信じられないことをすることがあるし、人間は力を持ちすぎない方がいいという意見も分かる気がする。これは答えの出せない難しいテーマだと思う。

 『 仮面ライダーアギト』という作品には、アギト(人間の未知なる可能性) の力に憧れる氷川誠(G3)やアギトの力に溺れる木野薫(アナザーアギト )、アギトと同じような力を持ってしまったことで周りの人に裏切られ全てを失う葦原涼(ギルス)、特別アギトの力を意識していないが、人の居場所を守るためにアギトに変身してアンノウンと戦う津上翔一(主人公でありアギト)などが登場する。そして、神はアギトになる可能性を持った人間を自らの使者であるアンノウンに殺させるのである。果たして、アギトの力は人間にとって良いのか悪いのか…。この作品ではそれらの登場人物が出会い、成長し、それぞれが自分の生き方、居場所を見つけようとする物語である。他にも紹介したい登場人物はたくさんいるが長くなりそうなので今回はやめておく。

 3.『仮面ライダーアギト』の魅力

 私がこの作品で好きな所は、「君は君のままで成長していけばいい」というメッセージや、たとえ神や親であっても、「人の未来を奪うことはできない」というメッセージが込められていることだ。そして、全体の話は重いが、主人公の翔一を中心にどこか前向きで明るい雰囲気が漂っているのもこの作品の魅力である。

 4.語り継がれるべき名作

 最後に、私が『仮面ライダーアギト 』が名作だと思う理由を述べる。アギトが放送されていたのは2001年、私が4才から5才くらいの時だ。当時はアギトのかっこよさ、流れる音楽のかっこよさに魅力を感じていた。日常シーンの翔一と氷川さんの漫才のようなやり取りも面白かったし、苦しい重いをしながらも一生懸命に生きる涼にも勇気づけられた記憶がある。ここ数年、私は何回かアギトを観ている。そのたびに、アギトという作品は哲学的だなと思う。「人間とは何か」考えさせられる。深く考えれば考えるほど味わい深くなる作品だと思う。しかし、必ずしも深く考えながら観なければならない作品ではない。登場するライダーの戦いぶり、流れる音楽、面白い日常シーンだけでも楽しめる作品だからだ。

 2001年に放送された『仮面ライダーアギト 』は今でも通用する名作だ。私は、この名作がこれからも語り継がれていって欲しいと思う。


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