見出し画像

生意気だけど。真剣である。

やほまる☻ あっきーです。



3ヶ月ぶりに高校生向けの塾講師のバイトに向かった。
大学に合格したその日から働いているので、もうこの仕事を始めてから6年になる。



1つ自覚していることがある。
それは、僕はいわゆる『生意気なアルバイト』だってことである。

社員の会議の議事録は確認するし、校舎別の人件費や売り上げも見ている。勤務校舎に与えられた宣伝費用の範囲内でビラ配りなどの販促を指示するのも僕なのである。


生意気である。



でも生意気なりに精一杯取り組んできた。

アルバイトをただお金を稼ぐための手段と認識することはしなかった。

活発であったり、無口であったり、多種多様な生徒1人ひとりに合わせた距離の詰めかたを意識した。

指導方法を変化させた。『答えを教えていくティーチング』よりも、『答えに導いていくコーチング』の方が生徒のためになると、教育業界のトレンドもしっかりと追った。





教育の世界では『相手目線』を考えることが何よりも重要だった。


「「「そんなのどの世界でも重要だろう」」」


確かにそうではあるが、相手目線の重要性が顕著に現れる瞬間が多いのである。

生徒によって、『学ぶ教科』も『進度』も『理解度』も『やる気の出し方』も全て違う。5教科、科目にして20科目。そこに進度や理解度などの要素が掛け合わされば、その多様性は明らかである。


どの言葉を、表情を、情報を使うか。
『相手目線』は意図して身につけざるを得なかった。




僕自身がこのアルバイトに対して、如何に真剣に取り組んでいたかを身に染みて感じる日があった。


詳しくは言えないが、勤め先は全国に350校舎ほどを構える大手の予備校である。(僕はそことフランチャイズ契約を結んでいる地方の教育会社に勤めている)


ある年、本社が主催する生徒対応の接客コンテストに出場した。
出場者の9割が社員で構成された集団の中で、懇意にしている自社取締役から推薦を受けて出場したのである。


2段階の予選で何百人もの社員がふるい落とされた。僕を含めて3人が残った決勝戦は大阪で行われ、300人の観客に評価されながらステージ上で接客対応のロールプレイングをした。観客席の最前列は審査員席であり、画面の中でしか見たことのない有名講師や本社取締役が並んでいた。




結果は2位だった。
アルバイトとしては出来すぎた結果である。



しかし、ここで自分で自分に驚いた。
結果が発表された直後に静かに泣いたのである。
1位になれなかったことへの悔し涙だった。


僕よりも経験と技術を持った社員に負けたことを当たり前だと思えなかった自分が生意気だと感じると共に、そんな自分が誇らしかった


壇上で求められたインタビューで生意気さは爆発した。

「次このような大会を開催して下さる際には、必ず1位を取ります。教育業界の知識では社員の皆さんに劣る部分がありますが、日頃生徒と最も関わっているのは僕たちアルバイトだと思っております。生徒1人ひとりを誰よりも理解し、それを社員に伝えるのが仕事だと思って日々取り組んでいます。本日学んだことを活かして、明日からも精一杯取り組んで参ります。」



社会人だったら1発アウトである(笑)
まぁ、アルバイトだから許して欲しい。


その日は、推薦してくれた自社取締役から伊勢海老をご馳走になったので賞金の7万円を使って1本の缶コーヒーをあげた。この世で1番酷い“不”等価交換である。




本投稿は、如何に自分が真剣にバイトに取り組んでいたかを残しておきたかった。

この経験は、現時点で日常生活に活かせている。
社会人になっても活かせると思う。

このアルバイトをしてきてよかったと心から思う。


ただ、生意気さは来年から捨てろよ。自分よ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?