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SNSと個人情報

ネットと個人情報なんてことはもう10年以上も前からのトピックだと思うので、今更危ないですねみたいな事を言うつもりはなくて、じゃあ今どのくらいまで個人情報が取れちゃうのかという事を考えてみた。



今回、サンプルとしてインスタでストーリー(数秒の動画をアップできる機能)をあげていた1人のインスタグラマー(独身26歳女性)を例にしてみる。
 
このストーリー機能、24時間でSNS上から消えるということもあり、最近の若者ジェネレーションはバンバンここにプライベートな内容をアップしている。



ある日の夜22時頃、例のインスタグラマーはストーリーで「会員制プール最高♡」みたいな感じで、どこかの高層マンションの上層階に備え付けられたプールの内観動画をアップしていた。



その数秒の動画から、プールの窓の外が一瞬見えたので、そこから具体的な場所まで特定できるのかを試みてみた。



ちょうど、窓の外にはドコモタワーと神宮球場がほんの少しだけチラッと写り込んでいた。


早速グーグルストリートビューの立体ビューモードを参照に、その2つの距離感と角度を見てみる。


ほんの数十秒で方角と高さがバチっと分かったので、具体的なマンション名まで特定できてしまった。


それは、港区のとある物件だった。


次に、そのマンションの家賃帯を調べてみると、70万〜100万円ほど。
 

日本人の所得の平均値を見ると、おそらく上位数%でないと住めない価格帯だ。
 

○○社でOLをしていますとプロフィールに載せているその彼女の収入から推測して、そこに自分で住んでいることは考えにくい。


また、1人でいるということは、そこで女子会やパーティをしていた、という事も選択肢から外れる。


ということは、可能性としてそこにいた大きな理由として挙げられるのは2つ。


そのマンションに住んでいる割と高額所得の ①彼氏がいるか、もしくはそこに住む ②「パパ活」的な相手がいるか、の2つの説が濃厚になる。

けっこうリアルだよね。


つまり、たった数秒のSNSにアップした動画から、「○月○日の○時に、〇〇のマンションで○○っぽい属性の人と一緒にいた」という事が一瞬で分かってしまう可能性があるという事だ。
   
  
 


そして、恐ろしいのはインスタのストーリーなどのコアなプライベートをアップするSNS機能の登場によって、「何を考えていたか」がより鮮明に分かるようになった事。
 
 


それまで、楽天を始めIT大手で収集してセールスのセグメントで使えたのは、せいぜい年齢や性別、地域や購買データ、他サービスの利用状況などの表層的なものだった。



いくら、「埼玉県在住の50代の主婦で、アタックの洗剤を楽天スーパーSALE期間に毎回10本まとめ買いするユーザー」という事が分かっても、そこからその人の性格までを推測する事は難しかった。
  
 


しかし、SNSでは内面まで収集できてしまう。

なぜならSNSは「人との関係性が現れるデータ」だからだ。
 
 


「あの子には私の華やかな生活感を見せつけたい」とか「あの元彼には私はあなたがいなくても楽しい生活をしてる事をあえて見せたい」みたいなコア中のコアな情報が、SNSの繋がりと人間の読みを合わせるとかなりの部分で分かってくる。
 
 


つまり、ビックデータで届かなかったパーソナルな感情や情報を、SNSで最終的に仕上げるみたいな感じだ。


最後には、そこにスマホのGPSデータと、グーグルの検索データなんかを合わせちゃえば、その人1人の人生が全部丸裸にされちゃうんじゃないかと思う。

マーケティング的にはとても美味しい時代になったのかもしれないけども、個人としてはかなりスリリングな時代だなぁと感じます。



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