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手帳の余ったページを蝋引き×和綴じ製本でリメイクしてみた

 私は「描く」ことと同じぐらい「書く」ことが好きだ。絵でも文字でも、とにかくかきたい。無地の紙は大好物だし、罫線やマス目があってもいい。なにしろ紙と筆記具が好きなのである。

 一昨年に買った手帳は分厚かった。なぜなら、スケジュールを書き込むページと同じぶんだけメモ用のフリーページがついていたからだ。
 ちょっとした日記やイラストなんかをたっぷりと書き込もう、……という妄想だけはバッチリ、結局2〜3ページしか使うことなく1年はあっさり過ぎ去っていった。
 もったいなくて取っておいたその手帳を、久々に出してみる。糸を外して、糊を引っ剥がして、まっさらな方眼紙の束を収穫する。

 そうだ、和綴じ製本にしよう。
 どうせなら、表紙は蝋引きして特別なノートをつくろう。

 書道の授業で初めて体験した和綴じ。のちに2回ほど自力でやってみたが、そのときはあまりうまくいかなかった。だから、もう一度やってみたい。
 かねてより興味のあった蝋引きも一緒に試してみることとした。

蝋引きの材料

 いろいろググってみて、まずは蝋引きの準備。百均へゴーだ。
 ロウソクをカッターで細かく削り、クッキングシートを敷いた紙の上にぱらぱらと載せる。
 さらに上からクッキングシートをかぶせて、低温のアイロンで温めながら延ばしていく。
 すると……

アイロンでとかすとこうなります
ロウが多すぎて白くなりました(右下)

 ただとかすだけ、と甘く見ていたのが誤算だった。ロウソクが多すぎても少なすぎてもきれいにならないようで、加減が案外難しい。適切な量を見極めるには練習が必要かも。
 ムラができたときはロウソクを足して、ベタついたときは新聞紙に吸わせるとよいそうです。
 しかしこれ、めっちゃ楽しい。

この透け感伝わる?まるで上質な昆布(褒めてる)


 続いて和綴じ製本。
 表紙と中の紙を重ねてクリップでとめたら、おおよそ等間隔に穴をあけていく。家に目打ちがないのでさまざまな針を駆使して気合であけた。怪我には注意。
 クリップも本当は2か所とめたほうがずれにくいけれど、なんか1個しか見当たらなくて気合でとめた。(全部気合)
 本来、中の紙は二つ折りにするらしいのだけど、今回はそのまんま束ねてみる。輪をつくってしまうと内側に描けないのがもったいない気がして。

気合であけた穴
これは穴をあける道具ではないが

 穴があいたら糸を通していく。今回は刺繍糸と、毛糸用針という太めの針を使ってみた。
 ひとくちに和綴じと言っても実はいろいろな綴じ方がある。初心者の私はとりあえずスタンダードな「四つ目綴じ」というものにチャレンジ……するはずだったが、テキトーにあけた穴が5つもあることに気づき、自己流で「五つ目綴じ」をすることとなった。(そんなの存在するんですか??)

ジェルメディウムは便利
(ボンドがなくてジェルメディウムでとめた)
2つ目の穴から通していきます
たぶんいろいろ間違っているメモ
完成

 ということで完成。
 表紙と中の紙のサイズが違うのはわざと。
わざとというか、切るのがめんどうだし、段差があるとめくりやすいし、いっそそういうデザインにしてしまおう、という作戦。写真ではわかりにくいけれど、クリーム色の方眼紙と抹茶色の表紙の配色はなかなか可愛いと思う。

 糸が長めに余ったので栞にしてみた。
 右側のは以前作ったもの。こちらは蝋引きしていません。あと糸の通し方が適当すぎる。でもまあ、いちいち全部が正しくなくてもいいんです。自分で楽しむぶんには問題なし。

紙と糸の配色を考えるのも楽しいです
右のは表紙と裏表紙で色を変えてみた

 今回は手帳の余ったページを使ってみたけれど、いろんな種類の紙を集めてもよさそう。

 つい最近、アップサイクル企画というのかしら、好きなミュージシャンが自分のライブ衣装やステージのバックドロップを新たにポーチやトートバッグにリメイクするという試みを行っていて、とても素敵だなと思いまして。
 当然ながら立派なライブ衣装もバックドロップも私は持っていないけれど、何か身の回りで眠っているものに再び息を吹きめないだろうか?と考えたのがこの遊びの発端だった。
 
 個人的にはガラクタをガラクタのまんまで遊ぶのも好きだけれど、「ひと手間加えてより素敵なものに生まれ変わらせる」という考え方は素直にいいなあと思う。その過程で余計なゴミが出ると本末転倒なんだけどそのへん難しいよね。

 創作活動というものはどうしても環境にやさしくないことが多い。
 これをアップサイクルと呼べるのかどうかはわからないけれど、何かおもしろくてワクワクするようなやり方で世の中のことを考えられたら、行動ができたら、なにもしないよりはずっとマシだと信じて。

 そんな話を置いておいても、蝋引きと和綴じ製本はおもしろいので、あなたもぜひ。
 それではまた。

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