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よい体育の授業➀

 よい体育の授業とは、学習目標を達成し、子どもたちに、プラスの変容が見られる授業だといえます。
 どんな目標を立てるかは、授業者によって異なることもあるかと思いますが、できなかったことができるようになる、体力を高める、友達と仲良くなることなどがあげられるかと思います。
 高橋らは、子どもが評価する「よい体育の授業」には、2つの特徴があると述べています。

1.学習の勢いがある
2.学習の雰囲気がよい


学習の勢いがある

 学習の勢いとは、よいテンポで、ダレルことなく、活発に運動している様子が想像できます。さらに、具体的に挙げると、

➀運動時間が十分に確保されている。


 やはり、体育ですから、汗をかくほどの運動量が必要です。運動量を確保できるように、授業を設計しなくてはなりません。例えば、走高跳の授業を行うとして、30人で、支柱とバーが1つしかなかったら、運動していない時間がほとんどになってしまいます。学校に高跳の道具が十分になくても、例えば、ハードルやコーンにゴムを通した代替えの用具を使うなど工夫ができます。場を増やすことで、運動時間を確保できるようになります。

②教師の説明などが短い


 説明などをしている時間が長ければ、運動時間は必然と減ってしまいます。もちろん、説明が必要な時はありますが、可能な限り短くするようにします。

③移動、準備、片付けなどに使う時間が短い


 授業の開始時間が守られていない、移動時に歩いているなどで、1~2分ほどロスしたとします。それが、1年間積み重なることで、多大な時間となってしまいます。また、準備・片付けに多くの時間がかかる場合があります。例えば、小学校の跳び箱の時間です。倉庫に出しいれするだけで15分くらいかかる授業を見たことがあります。その場合、跳び箱の単元中は、倉庫に、跳び箱をいれずに、外に出しておくという工夫ができます。社会体育で体育館を使うこともあるかと思いますが、授業優先が基本でしょう。

④課題から離れた行動をとることが少ない


 
さぼったり、別のことをやっている生徒が少ない状態といえます。これには、さぼれないシステムをつくることが肝要です。例えば、ペアやグループをつくり活動するなどです。

⑤成功を実感できる


 
特に、運動が苦手な場合は、失敗が多くなりがちなので、留意する必要があります。運動ができるようになるための、適切なキューイング(声掛け)や、褒め言葉、用具の工夫(硬いボールではなく、やわらかいボールを使い恐怖心をなくすなど)を常に考えていきます。

⑥役割行動の機会がある

 運動している以外の時間にも、審判やゲームの分析、動画撮影、ミーティング、助言、アドバイスといった、学習に従事した時間があります。例えば、ゲームをしていないチームはやることがなくて、おしゃべりをしているのではなく、1人1人の役割が定められているということです。

 このように、運動量はもちろんのこと、授業の質が高いことが、子どもが評価する、よい体育の授業になります。次回は、学習の雰囲気について、書いていきます。

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