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在宅鍼灸師は現場に出る前にとりあえず読んでおこう。プライマリケア鍼灸ってなに?

ども、てっちゃんです。
今回紹介する書籍は在宅医療の分野で働く鍼灸師や鍼灸学生は必読書となる本だと言える本で、ボクから一つ伝えるとしたら

「1,100円なんだから迷ってる暇があったらとりあえず買おう!」

これに尽きます。

1.そもそもプライマリ・ケアってなに?

そもそも、みなさんは「プライマリ・ケア」という言葉にピンと来ていない方も多いのではないだろうか。
そんな方にはまずこちらの動画を見ていただけるとイメージしやすいかと思います。※1分20秒で見終わります

プライマリ・ケアは簡単に言ってしまうと
「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」
となります。

もう少し専門的な表現で説明するとこんな感じ👇

【プライマリ・ケアの定義】
『プライマリ・ケアとは、患者の抱える問題の大部分に対処でき、かつ継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域という枠組みの中で責任を持って診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービスである』

1996年の米国国立科学アカデミー

「あーなるほど、昔ながらの町のお医者さんね」
まあ、そんな感じです。

そう考えてみると、
「町の鍼灸院もプライマリ・ケアやってんじゃないか?」
と思いませんか。

そうなんです。
「町の鍼灸院もまさにプライマリ・ケアの一翼を担っている」といえます。

すなわち、
「プライマリ・ケア鍼灸師」は、地域のあらゆる健康上の問題や疾病に対し、総合的・継続的・全人的に対応できる地域医療福祉の「何でも屋」であると考えられます。

在宅医療に携わる鍼灸師は、プライマリケアを専門的に学んでいる「家庭医療専門医」を目指すべきロールモデルにすべきなんじゃないかと私は考えています。

2.今回オススメしたいのがこちらの本です

冒頭の説明が長くなりましたが、今回オススメしたい本がこちら👇

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https://www.jmedj.co.jp/premium/pcam/

「プライマリケアに活かす鍼灸 -はじめの一歩-」という電子書籍です。※Amazonでは買えないので要注意

筆者は鍼灸師であればご存知の方も多いかと思いますが、
寺澤佳洋先生(口之津病院内科・総合診療科、医師&鍼灸師)と
吉田行宏先生(明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学科講師、鍼灸師)という、めちゃくちゃ豪華なお二方です。

寺澤佳洋先生はブログも開設されており、無料で勉強になる情報を惜しげもなく公開してくださっています。

吉田行宏先生はスポーツ障害に対する鍼灸に関する研究を数多く執筆されているので、スポーツ領域の鍼灸師はご存知の方も多いかと思います。

【吉田行宏先生の執筆された論文紹介】

「成長期野球選手の肘傷害に関する文献的考察―野球肘に対するスポーツ鍼灸の可能性と役割―」

「鍼通電刺激が反復運動誘発性酸化ストレスに及ぼす影響」

3.どんな内容なの?

実際どんな内容なのか気になる方も多いかと思います。
サイトに掲載されている内容紹介文に書かれているのはこんな感じ👇

【内容紹介文】
 患者さんが「鍼灸の保険(療養費)の同意書を書いて下さい」と同意書を持参するケースはありませんか?
 同意書を書くことに抵抗のある先生も少なくないかもしれませんが、同意書を書いた医師に鍼灸施術の結果責任が生じることはありません。信頼のおける鍼灸師と協働することで、様々な症状や疾患に対するアプローチを増やすことができます。
 未知の点も多い鍼灸ですが、 鍼灸で改善する症状があることも事実です。鍼灸施術を活用することで,患者さんをさらに満足させるケアにつなげられる可能性があります。
 本コンテンツは医師であり鍼灸師でもある寺澤先生と、鍼灸師の吉田先生がタッグを組み、鍼灸施術について現在鍼灸学校で一般的に行われている講義内容になるべく沿って解説。また療養費制度を活用する際の注意点についても触れています。
 実際の鍼灸施術の動画も満載の、鍼灸施術に興味のある先生にぜひともお読みいただきたいコンテンツです。

日本医事新報社に掲載されている紹介文より引用

要するに、保険を活用している在宅鍼灸師必見の療養費制度に関する話や施術動画も沢山あって「全鍼灸師にとって価値ある本である」ということです。
そして具体的な目次はこんな感じ👇

【目次】
1.鍼灸施術のはじめの一歩
2.What:鍼灸施術とは?~分類,作用,副作用~
3.Who:鍼灸師とはどんな人?~国家資格や人数~
4.Who:患者はどんな人?~適応やエビデンス~
5.Where:鍼灸施術はどこで受けられる?~鍼灸院はコンビニよりも多い?!~
6.When:鍼灸はいつ受けることが多いのか?~特に療養費制度について~
7.How:鍼灸施術を覗いてみよう~動画で確認~
8.鍼灸を選択肢のひとつに!

日本医事新報社に掲載されている紹介文より引用

4.マイオススメ章はこれ

個人的にオススメの章は、「4章と6章」です。
4章の「Who:患者はどんな人?〜適応やエビデンス〜」の中で、

「寺澤先生、鍼灸ってどんな患者に効果があるんですか?」
「鍼灸せ術の適応疾患にはどんなものがあるんですか?」

この質問に対する寺澤先生の回答とその理由が結構ツボでした。実際ボク自身も患者さんから数多く上記のような質問を受けてきて悩んできましたが、理想的な回答だと思いました。

もう一つ、6章の「When:鍼灸はいつ受けることが多いのか?〜特に療養費制度について〜」の中で、医師から同意書が発行されにくい理由に関しての理由が結構驚きでした。

ボク自身は同意書を断られた経験がなかったのでこれまで理由を深く考えてきたことがなかったので、「まさに医師視点のご意見!」だと感じたし、凄くスッキリしました。仮に今後断られた場合の対処法も原因が分かれば解決できそうです。

5.最後に

今回紹介させて頂いた書籍はめちゃくちゃリースナブルで、在宅鍼灸師のみならず鍼灸学生の特に1年生には「入学後の手引き」と併せて冊子にして配って欲しい内容でした。
また、HAMTライターのてつさんは、「プライマリ・ケア✖️鍼灸」に関しての情報発信をしてくれているので興味のある方はぜひフォローしておくといいですよ。


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