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【心の動きを絵に換えて】azma インタビュー

azma 個展「平衡詩片」を、2024年2月7日(水) – 2月18日(日) の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、azmaさんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


ー 自己紹介をお願いします。

広島県出身です。普段は会社員グラフィックデザイナーをしながら、映像制作やポスターなどの制作に携わっています。
ライフワークとして、主にデジタルツールを使用してイラストを描き、SNSやイベントで発表しています。絵に対するスタンスは自由研究に近いなと感じていて、自分と絵の間に何があるのかを探っている途中です。

ー 現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

「描いた絵と、見ているこちら側の間に隔てるものがないような絵が描きたい」「詩性のある絵が描きたい」「気配や空気感、温度や湿度といった画面の向こうに世界を感じる絵を描きたい」といったさまざまな目標はありますが、いつもただ「自分にとって良い絵が描きたい」という欲求にしたがって描いていると思います。
モチーフは、自然科学や生物の形態などから着想を得ることが多いです。

ー デジタル画材で作品をつくる理由を教えてください。

デジタル画材を使用して絵を描くようになったのは、納得がいくまで繰り返し調整、やり直しができる、失敗を恐れなくても良いことが大きな理由ではないかと思います。制作までの心理的ハードルの低さも、「絵と向かい合う」ことをしやすくしてくれます。
アナログ制作では、ユニボール シグノのボールペンを多く使用しています。学生時代にずっと使っていたので、手に馴染みが良いです。

ー 普段、何からインスピレーションを受けていますか?

心が動くことのすべてです。
たとえば、散歩をしていて光の落ち方や空の色がきれいだと感じたこと、絵を見て素敵だと思うこと、石を見て空を見て形が色がかっこいいと思うこと、もちろん映画や小説なども含め、少しずつ日常生活の中から得た発見を絵に取り込んでいるように思います。自分の心が動いた事象を、絵の形に変換しているのかもしれません。

ー 影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

漫画家の九井諒子(くい りょうこ)さん、イラストレーターの小林系(こばやし けい)さん、黒星紅白(くろぼし こうはく)さん、写真家の植田正治(うえだ しょうじ)さん、瀧本幹也(たきもと みきや)さん、ジブリ作品等のアニメーターさんの線に強く影響を受けています。美しい線や明瞭な構図のほか、絵を見たときに頭がその絵(または写真・映像)でいっぱいになるような感覚をもたらしてくださった方々です。
宮沢賢治や中原中也の詩にも多く影響を受けていると感じます。

ー これからどんな作品を作りたいですか?

自身の価値観や身体が変化していく中で、そのときに最も描きたいものとは何か、しっかり向き合ってできたものが自分の作品と思います。
昔つくったものが積み重なるにつれて、どうしても上手くできたときに引っ張られたり、自身のことがよく分からなくなったりすることもあるかもしれません。しかし、自分の心の動きが嘘をつくことはないので、その動きをしっかり捉えていけたら、歳をとること(変化していくこと)を楽しみながら絵を描いていけるのではないかなと考えています。

ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

「トワイライト」

「波」というテーマの中で、発光生物、水中に揺れるクラゲ、波間、光の届く浅瀬などをイメージした絵です。水族館に行ったり、海の特集番組を観たり、重力と熱が青く軽くなるような大きな空間を眺めるのが好きです。他者との間を満たす水は、ひときわ「自身が一人であること」を際立たせたり、海という一つの空間の一部であることを感じさせたりするかもしれません。そのように、ずっと眺めていて飽きない海と波のことを考えて線を引いていました。

「心音」

「声」をテーマにした作品です。羽、樹木、鉱物、無音、月の光などをイメージしています。
これまで、「探究すること」そのものを絵にしたいなと考えていたような気がします。たとえば、他種の生物がどんな会話をしているのか、何を思っているのか、声があるならどんな声をしているのか、「知りたい」という気持ちが人類を前に進めてきているように思います。私が信じていたい、人の心の働きの一つです。

「炉心」

「星」というテーマで、彗星、朝日、飛び立つときなどをキーワードに制作しました。朝5時に海を見に行ったとき、部屋の中にいるだけでは知り得ない世界の情報量の多さに驚いた経験は、きっと忘れない記憶の一つです。
希望というとおおげさですが、「この世は生きるに値する」という気持ちをくれたもののことを大事にしたいです。

ー お客さま、ご来場予定の皆さまにメッセージをお願いします。

普段からあまり積極的に交流をしておらず、今回の展示でも在廊日数はわずかですが、興味を持って足を向けてくださる方々がいることは本当にありがたいです。
作品の中で何か一つでもおもしろいと思うものや、心に引っ掛かるものがあれば、これほど嬉しいことはありません。お気軽にお越しいただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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azmaさん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。

皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?
ピカレスクスタッフは、「朝5時に海を見に行ったとき‥」のお話を通して、自分が知らない景色に初めて出会ったときの、驚きと感動で心がいっぱいになる感覚を思い出しました。azmaさんの作品を観ながら、自分の心が大きく動いた瞬間を思い出す方も多いのではないでしょうか。

azmaさんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

azma 個展「平衡詩片」

〈会期〉2024年2月7日(水) – 2月18日(日)

〈詳細〉https://picaresquejpn.com/azma_exhibition_2024/

〈azma 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/azmalog
Instagram https://www.instagram.com/azmalog/
HP https://azmtk.tumblr.com/

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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/

■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/

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