Twitterから写した詩10 【詩】

海月になりたいイルカたちが魚を食べている 麗しい人魚たちが海の砂を奪い合い 底をついた 光の届かない場所で上を見ているあなたの目は丸くて輝いてる
新しい王様に会ったとき また痙攣してしまうの? 名指して 笑ったって消えないよ 愛した人を殺すんだよ
私は男と女のおもちゃ。性のおもちゃ。屍たちに美しく飾ってもらって、逆さまの小さな庭で、すてきな音楽に合わせて笑いながら踊る虚無の国の姫です。
彼女と私は、互いの後ろをゆっくりなぞり合っていった。誰も知らない秘密を持ち寄って籠の中で混ぜ合った。二人は素晴らしい愛に包まれて姫になった。天使になった。熊や猫や悪魔になった。そして透明になった。秘密の箱庭で微笑み合う。彼女だけが涙した。耳鳴りが止まる。波の音が聞こえない。
私は桜。春になるたび咲き誇るから息を乱さず見上げてごらんよ。
雨に濡れた絵本に触れられず青い和傘を差したままわたしは道路の水飛沫に映る美しい東京の夜の光を見つめてる迎えに来て
氷漬けの真っ赤な少女が乞う。叫んでみせて。私は上気して、彼女ははにかんだ。
口元に人差し指をあてて、でも、そのあと「ちょっとだけ、内緒だよ」と言うと、昔覚えた歌と踊りを、披露した。月夜の森に、少しだけ星が降った。
彼女の守る豊かな森、桜と睡蓮の花が咲き、月の夜には動物たちが歌を歌う。人間は僕と彼女とあの子しかいない。今夜、火をつけて焼いてしまおう。
港から海を渡って辿り着いた島には宝物があって、その姿を見ると僕は命を落とした。その先にいる姉妹は育てた花で花束を作っては、何度も訪ねてくるあの子に贈る。丘に戻り、森を抜け、青く美しい海にあの子が花束を放る度に、蝶が太陽に向かって舞い上がって行く。二人の人魚が手を振った。
空の果て、雲の上では銀色の服を着た女の人が立っていて、己の最も優れた徳を俯きながら差し出してくる人たちを待っている。深い森の道では、かつて愛をばら撒いた少女が歩いていて、彼女への贈り物を持った子たちが躊躇いながら近づいていく。夜になる度に少しの火を起こす僕に、余り人は近寄らない。

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