企画概要はこちら(↓)

こちらのお手紙(↑)への返事です☺️。

理恵へ　

久しぶりだね。どうやって連絡先を見つけたんだろう？まぁ、野暮なことは聞かない方がいいか。。

忘れもしない。君にはじめてあったのは、あの年の４月12日。東大の入学式の時だったね。今でも、４月12日には、靖国神社辺りをうろうろして、君のことを思い出しています。

武道館での式が終わったあと、桜咲く千鳥ヶ淵を一緒に歩きましたね。

僕たちの学生時代は、学生運動が真っ盛りだったね。
安田講堂があんな状態になるなんて、今じゃ考えられない。

わけもわからず、全共闘に参加して、三島由紀夫と対話しに行ったことがあった。

あの頃は、自分でもちゃんと理解していないような難しい言葉を散りばめながら、国家の在り方を語るのが流行っていた。
実際に、三島に話しかける学生の言葉は、僕には全く理解できなかった。一番分かりやすい話をしたのは、一番学力が高い三島だったよね。
難しい言葉を使えば､頭がよく見えると思っていた学生は、いま振りかえると、滑稽そのものだ。

あれから、長い時間が経ちました。僕がとった理恵の写真はセピア色になりました。

でもね、今の技術はすごいね。
写真屋に頼んだら、上↑の写真が、下↓の写真のように復元できました。

そうそう、思い出した。いつも理恵は、僕の前では、青いブラで腕組みしてることが多かった、ははは。

今のオレは、哲学者をしているよ。世俗的なことからは距離をとっていたいからね。といっても、学者じゃないんだ。たまにバイトして、金がたまったら、ボーッと、アレコレ哲学してる。

いつ死んでもいいと思っているから、積極的に生きたいとは思わない。
でも、理恵にあったら、若かりし頃の熱い情熱を思い出すかもしれない。

理恵の手紙で、僕に唯一の生きがいができました。いつか、君に会うこと。それが今、僕が望むことのすべてです。

吉見より

#ほしかったラブレター
#学生運動 　
#安田講堂
#この経験に学べ
#忘れられない恋物語
#三島由紀夫
#全共闘
#哲学者
#理恵
#イラスト
#デザイン
#東大 　
#武道館
#千鳥ヶ淵
#４月１２日