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詩 | 祈り


うちのめされて
立ち上がれなくなっても
意識のつづく限り
祈ることはできる

右の頬を殴られたら
左の頬を殴らせるほど
寛大な気持ちは持てないが
倍返ししないことを祈りによって
鎮めたいものだ

私には宗教心の欠片もないが
自らの心が淀むとき
祈りによって浄化したいという
欲求が舞い降りてくる

端から見れば
外見上の私は
無為無策に見えるだろうが
別にそれは構わない

人とは不思議なものだ
良い人が皆から好かれるとは限らない
良い人であることが
他人の嫉妬心を惹起することもある

悪い人が皆から嫌われるとも限らない
悪い人には悪魔の輝きがあり
誘蛾灯に引き付けられる
蛾もまた生き物である

人間に生まれたからには
人間として成長したいものだ
信じることに教団は要らない
自分の心ひとつで変わる力を
ふりしぼって
1日1日を平安に過ごす術を
身に付けたいと思う

人間なんて
変わろうと思えば
一瞬にして変わることができると
信じ、待ち、そして祈りたい



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