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20字の詩集 | 悪の華

部室で吸った煙草が原因だったに違いない。

翌日、学校に行くと跡形もなく消えていた。

誰が吸ったものか分かるはずもなかろうし。

特に自責の念はない。どうせ俺のじゃない。

みんながみんな、そんなふうに思っていた。

先生はあわてふためいていたが、関係ない。

いらない物が全部消えてしまってよかった。

うっせ~んだよ。面倒くせ~んだよ、全て。

1つ建物を燃やしたって、無事卒業できた。

教科書を燃やしても、なんにも変わらない。

もともと何も覚えてないし、なくても同じ。

ガラスを1枚1枚割って歩くなんて面倒だ。

みんなみんな燃やしちまって大成功だった。

好きだった女だって、消えてしまえばいい。

さすがに燃やせないけど、記憶を消したい。

こんな地獄のような世界は、消えてしまえ。

偽善にまみれた文学など不愉快でしかない。

本当の文学というのは、倫理さえ破壊する。

文学とは、それほど恐ろしいものなんだよ。

楽しいだけの文学なんて、ただの阿片だね。


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