我が家には、きなこ(3歳)とにまめ(1歳)という2匹のにゃんこがいます。ねこから学ぶことはとっても多いです。

最近友達が貸してくれたこちらの本。わかるわかるー！とあっという間に読んでしまいました。ドラマ化するらしいです。

コミュニケーションが取りたい

うん、ペットを飼った経験がある人なら、みんな思ったことがあるはず。でも言葉は通じません。ジェスチャーも通じません。仲良くしたいだけなのに怖がらせてしまうこともある。つらい。

どうやったら通じるだろう

ある日きなことおもちゃで遊んでいると、途中きなこがおもちゃを見失い、座ってじっとわたしを見つめてきた。あなたのすぐ後ろにあるよ、とわたしが指をさす。ほらほらそこよ。するときなこは、差し出されたその指をスンスン嗅いだ。「指をさしている方向を見ろ」というジェスチャーは、ねこには分からなかった。「ちがうよ、ほら、あっち！」と手をふりふり動かすと、面白い動きをするその獲物にじゃれついた。参った。

ねこ同士の挨拶で鼻をスンスンし合うことがある。鼻チューとも言われる。あなたと仲良くなりたいわ、敵じゃないの、という意思表示である。あなた(人間)がねこ様と仲良くなりたいなら、もちろん挨拶をしないと失礼にあたる。ただ、人間の大きな顔を近づけるのはなかなか難易度が高い(怖がる)ので、代わりに指を差し出して鼻の代わりをする。ねこはそれを鼻と思って挨拶を返してくれる。

そう。おもちゃがあっちにあるよ、と差し出した指に、きなこはご丁寧に挨拶してくれたのである。

尊い。

この問題にはしばらく悩んだ。だってほかにどんな手段がある？言葉もジェスチャーも通じない異文化の彼女に、「あっちだよ」って、どうすれば伝わる？あなたならどうする？

単純な解

私がおもちゃを取ってくればいい。
「おもちゃを探しているきなこ」にとっては一番の解決策である。単純な話。

でも、違う。わたしはあなたがおもちゃを見つけるまでの途中段階でコミュニケーションが取りたいの。

2年かかって出した答え

たまにしかこの状態にならないのもあって、 時間がかかった。昨年2月、にまめが我が家に来て、2人の行動を観察しているとやっと答えが出た。

視線だ。

ねこはなんでも目で追う。うちの2人は仲が良くないのでお互いの行動を見張ることもあるし、相手の視線の先に何があるかも確認している。ねこは何でも把握しておきたいのだ。
まぁ、視力は悪いんだけど。

後日、きなこがごはん皿を見失ってじっと私を見つめて来たことがあり(そんな可愛い瞬間がほんとにあるのだ)、私は指を差さずに、ごはんはあそこにありますよ、と視線をごはんに向けた。
するときなこは、私の視線を追って「あ、ごはん。」とごはんを見つけ、のそのそ食べ始めた。

通じた。なんて可愛いの。

また、私がソファに座っている横に、にまめがやって来たとき。少し見つめ合ってから「ママのお膝にどうぞ」と膝に視線を動かすと「お、ぬくいやつやん」と飛び乗ってそのまま寝てくれた。

完全に伝わっている。コミュニケーションが取れている。なんたる幸せか。

異文化は身近にあることを教えてくださった

人間には言葉がある。言葉が通じない文化の人でもジェスチャーがある。ジェスチャーも通じない文化でも、顔や声の表情で自分の感情くらいは伝えることができる。そのすべてが伝わらなくても、方法はもっと他に、そしてとっても簡単に存在することを教えてくれた。

なにを言っても聞き分けの悪い人が世の中にはいる。仕事や学校で関わる人だとそんな人にイライラしてしまうことがある。その人にはその人の文化があるので、一生懸命怒鳴ったって、くどくど説明したって、きっと伝わらない。伝わらないのはあなたのせいではなくて異文化ゆえなんだと思う。難しく考えなくていい。伝わらないことを受け入れて、他の方法を探すと、案外すぐ伝わるかもしれない。