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獣と理性

私は獣になりたいのに
なれない
ただ獣になりたいだけなのに

その最中でも感じはするが
自分の表情など想像し萎える
愛の大きさを認識しているのに
感情は陰に隠れ思考ばかりめぐる
目の前にいるあなたに注ぎたくて狂おしいのに
止まる

この欠陥はなんだろう
あなたを愛したい
この愛は本当のものなのに
伴わなず孤独
心も体も感じているが
どうしても引いて見つめてしまう
指先の触覚は
あなたに触れるほど敏感になり
鳥肌が立ち震えてしまう
そしてざらざらの肌をすべるあなたの指
止まらないはずなのに
唇の感覚は震えるほどに甘美だ
指や肌が触れると失神してしまいそうになる
目はあなたを見つめ焦点は定まらない
待っている愛の臨界状態
いつかはじけるはず

その時がきたら
臨界は暴走になり
狂ってしまうでしょう
でも今は臨界前の孤独
指の軌跡を憶えるほどの感覚
私のすべてがあなたに夢中なのに
体も心も感じているのに
とどまり続ける感情
鼓動し続ける理性
その間で揺れる思考

私は獣になりたい
ただ獣になりたいだけなのに
邪魔をする私自身
寒くて冷えて凍えそうなまなざし
知っている
私自身からの目



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