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あゆみ

あゆみ
毎日くり返す
ただ言いたいだけ
別れてゆく道を遠く見渡していて
それでも歩み続けるような
もう遠くに小さくしか見えないの
そして消えてしまう

いつか
進めばアクシデントがぶつかってきた
いつかのあゆみ
障害ではなく行動
その中にある無垢
深くて澄んだ水
透明度が高く
姿を映してくれているようだ
言葉がない美しさ
なのにあれこれ言葉をかさねてしまう

少し視点を変えてみれば
それぞれの長いあゆみの中で感じる
存在の美
涙ぐましい姿
この目からこぼれ落ちるものは真珠だった
なのに
奇跡的な邂逅は一方的な幸せをお互いにもたらし
まわりのものには闇の緞帳を引きはがし掛けていた
ただのふたり
世界のすべて
始まりと終わり
落日と夜明け
あゆみ
あゆむ

その目からこぼれ落ちるものは確かに愛だった
キラキラした液体に集約したガラス
それは確かに美しく輝いていた
そしてその口から吐き出されるものは

長い時間を越えてつながり合いぶつかり合う
弾けたときにこそ世界の真実を知ることもあった
切り刻んでしまえば舐め合いまた噛み付く輪廻
衝動が火をつけ燃えあがる全方位
愛しても怒っても笑っても軽蔑しても、されても
変わらなかったはずの
あゆみ
だけど何らかの化学反応が起き熱と泡だらけ
その道もあゆんだ跡もかき消されてしまった

この体から吐き出される嗚咽は真実だった
だけど嘘と切られ欺瞞と貼られ閉じられてしまう
消えたあゆみ
止めたのではない
薄くなり蒸発するように煙のように溶け込む
振り返ってもなにもない
ただ振り返るのは自分ばかり
もう忘れてしまった
なんて
大切な逆説
愛すべき
その道程と
いつかの
あゆみ



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