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近代~現代哲学・思想

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記事一覧

デカルト まとめ

スコラ学的世界観への対抗者

『方法序説』提示した原則
1、私が明証的に真理であると認めるものでなければ、いかなる事柄でもこれを真なりとして認めないこと
2、検討しようとする難問をよりよく理解するために、多数の小部分に分割すること
3、もっとも単純なものからもっとも複雑なものの認識へと至り、先後のない事物の間に秩序を仮定すること
4、最後に完全な列挙と、広範な再検討をすること

【方法的懐疑】

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スピノザの哲学 メモ(随時更新)

世界にはGodという唯一の実体しか存在しない
人間の意識や事物の存在のように別の実体として見えるものは、実は実体などではなく、唯一の実体であるGodの属性或いは様態を示しているに過ぎない
→デカルトの二元論を乗り越える

ドイツ観念論から見たスピノザドイツ観念論の最大の特色→世界をある一つの絶対的なものの働きあるいは現われとしてみる
それは人間の精神の理想的なあり方でもある
スピノザの「God」と

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ライプニッツ「モナドロジー」まとめ

結論
この世界はGodに可能な最善の世界であり
宇宙はモナドに表出されている

スピノザ哲学の問題点:世界の多様性を説明できない

矛盾律と充足理由律人間の知識にとって本質的なもの
・矛盾律
・充足理由律

矛盾律
…「Aと非Aの両方が真であることは不可能である」こと
充足理由律
…「結果にはそれがそれ以外ではあり得ないことを説明する十分な理由がなければならない」こと

充足理由律を突き詰めること

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フランシス・ベーコン まとめ

イギリス経験論の祖
経験を重視する中世以来のイギリスの学問的伝統と、ルネサンスの科学・技術の発展を踏まえて、近代的な経験論を展開

『知識は力なり』
… スピノザの説く第二の知『理性知』と同じレベルのもの
第1の知:表象知=誤謬の唯一原因(誤った知)外部の刺激によって生まれる感覚的経験に基づくもので混乱した非妥当な観念から成る
第2の知:理性知/科学的理解によって得られる概念的・推理的認識
第3の

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ジョン・ロック まとめ

大陸合理論をはじめ、それまでの哲学において
人間の認識は「Godから授かったもの」だった
→あらかじめ人間には認識が備わっている

・イデア論
認識のための材料たるイデアは
我々の世界とは別のイデア界に最初から存在
・スピノザ
認識をはじめとする人間の理性すらも Godそのもの
このように生まれた瞬間に認識の力を備えているという考え方
→【生得観念】
ロックはこれを批判

仮に生得観念があるならば

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ジョージ・バークリーまとめ

ロックの 【一次的性質】・【二次的性質】を否定、そんな分類は存在しない
対象との間の距離によって見える大きさは変わる
視覚だけでなく対象まで近づき、触れないと「大きさ」は判断できない

【物体そのもの】言い換えると 【一次的性質】はない
全ての認識は【二次的性質】に分類される

物体そのものによって知覚されるものがない
→知覚があって初めて物体は存在する
『存在するとは知覚することである』エッセ・

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ヒューム まとめ

人間が知覚できる対象は2種類
・【印象(インプレッション)】
 外界から刺激をもたらされた瞬間の印象
 例)リンゴを見て『赤い』と感じる
 直接感覚器官に訴えかける印象
  ⇒ ヒュームは【力強い知覚】と表現
・【観念(アイデア)】
 過去の記憶や想像によって呼び起こされる
 例)あのリンゴは赤かったな。と思い起こすこと
 印象に比べると、感覚器官から直接与えられた刺激ではない
 ぼんやりした印象

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ヤーコプ・ベーメ(随時更新)

主著『アウローラ』『シグナトゥーラ・レールム』『大いなる神秘』『キリストへの道』

Godの顕現ベーメの見たヴィジョンは万物の神的な実相とでもいうべきもの
我々人間はGodの歓びの調べをかなでる楽器の弦

無底…三位一体のGodの根源。他の何かによって根拠づけられず、また底がないので何かを根拠づけることもない。どこまで行っても何もない無

無底の中には他の「あるもの」を求める憧れがある
憧れは無限

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カント まとめ

批判=kritik
ギリシア語で「分ける」という意味
クリノーという言葉に由来

ヒュームの問題点
『ヒュームの警告こそが、独断のまどろみから私の目を覚まさせ、
 私の探求にまったく新しい方向を示してくれた』

理性は知識や経験が束になって作り出されたものに過ぎない
→なぜ人間同士で共通の認識を共有できるのか

人間の認識は確かに経験の束と言えるが
その経験や知識を受け取る方法には
先天的に特有の

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フィヒテ まとめ(随時更新)

カントの哲学に概ね賛同しつつも、理性を二つに分ける二元論的思想を否定
物自体を把握し、一元的に世界を説明しようと試みる
世界の根底にある一元的な要素が【自我】

自我に関しての3つの原則1、自我は根源的に自己自身の存在を定立する
2、自我に対して非我が定立される
3、自我は自我のうちにおいて可分的自我に対して可分的非我を定立する

自我がなぜ存在するのかというと、 自我が自分自身を生み出すから

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前期シェリング まとめ

フィヒテ:この世の根元は自我、 自我によってこの世界は作られている
→モノ自体すらも自我の中に内包
自我は非我を乗り越えることで【絶対我】へと向かう
→語弊を恐れずにいうならば、【絶対我】は自我の枠組みに内包されている
しかし絶対的な自我と呼ぶ以上、その存在は絶対でなくてはならない

シェリング:絶対的な自我はもはや【絶対者】
絶対者であるならば、それは自我の根拠(自我の定立の根拠) であるだけで

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ヘーゲル まとめ(随時更新)

ヘーゲルが行ったこと→カントを批判したフィヒテとシェリングの哲学を批判的に統合、ドイツ観念論を完成

カント:現象とモノ自体を完全に分類
    現象については理論理性で把握することができるが 物自体については人間に把握することができないのだから その領域は実践理性で対応する必要がある

フィヒテ:理性が二つに分かれるのはおかしい
     自我を根元に据えた一元論
     自我の中に理論理性と

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ショーペンハウアー まとめ(随時更新)

表象
『意志と表象としての世界』
世界は人間の意志と表象である

『世界は人間の表象である』…カントの【現象界】と類似
視覚やその他感覚器官で受け取った情報を 人間特有の時間的、空間的な認識方法で処理、対象を把握
ショーペンハウアーは この世界の一方の側面は表象

博士論文『根拠の原理の4つの根について』
人間固有の認識方法についての研究

私が死んだとして、 私が表象していた世界は消えてなくなる

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オーギュスト・コント

サン=シモンに影響を受ける

ソシオロジーという言葉を初めて使う

『実証哲学講義』(1830-1842)

諸科学の性格を総括、そのヒエラルキーを体系化、独自の科学哲学を開いていく
「科学分類の方法」を用いて、諸科学の体系化を進める
学問の体系を数学から発展して物理学、化学、生物学を経て、抽象から具体へと発展する、概念から自然を経て人間へと到達するものとして構築
最終的には人間社会を対象とする学

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