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雨女でここまで損したのは初めて

なんとか起きられて、屋久島へ向かう。伊丹の時点で「屋久島への便は鹿児島での判断となる」と言われてはいたが、無事屋久島へのプロペラ機に乗ることが出来た。座席はプロペラ機の真横で、離陸にもの凄い音がしたが、フライト中はあまり気になることがなかった。がしかし、降下を始めたはずがまたその騒音が突然鳴りだし、窓の外を見ると景色が右肩上がりである。「着陸を試みましたが、視界不良のためもう一度上昇し待機します。」「この後雨が降るときに視界が開けたチャンスを狙ってもう一度トライします」ということで、既に屋久島でレンタカーを借り、白谷雲水峡についているはずの時間にまだ私たちは空の上にいた。
「again」という単語が非常に印象的ではあったが、また窓の外が右肩上がりになり、「私たちの飛行機は鹿児島空港に引き返すことが決定しました」というアナウンス。苦笑してしまった。昨日雨女を我慢した分、今日こんなパワーを持ってしまうだなんて。

後ろのプロペラ機。2度トライしたが着陸はかなわなかった。

鹿児島空港で放り出され、鹿児島市内~高速船港へのバスに乗り込み約1時間。フェリー乗り場についたのは12:10ごろだった。次の出航は13:20でしかも到着は15:00すぎだという。こうなってしまうと、どうしようもない。
ここで既にバス代で7,000円、船は1人12,200円という実に現実的な数字を叩きつけられ、それでも進むしかないという状況に驚愕しつつも、「じゃあ屋久島ブレンドどれだけ買ってもらおうか…」「ベガホールのチケットはあと40枚追加で売らないといけないな…」と全員がどんぶり勘定を始めたのは結構面白い体験だった。


結局屋久島についたのは15:30ごろ。そこから動き始めるがもう既に一日の行程が8割ほど終わっている予定だった。


屋久島直行高速船「ロケット」

とりあえずコテージに向かおうということになったが、その途中で3日目に経由予定のカフェレストランやお土産屋さんに入ることが出来た。地元のスーパーで買い物をし、昼間に食堂で食べる予定だった首折れサバの刺身と鳥刺しをはじめ、自炊する準備も買いつつ、晩御飯に思いを馳せる。そういえば朝から高速船乗り場で買った鹿児島のお菓子「げたんは」しか食べていないことに気づく。

私の好物「げたんは」。鹿児島のお菓子で、丸ボーロに黒糖の蜜をかけちぎったやつ。

それでもとにかく行けそうだった(コテージの近くに位置した)「大川の滝(おうこのたき)」に行けたのはラッキーだった。屋久島上陸したときは曇りで済んだはずなのにまた雨脚が強まりつつあった。しかし、いずれにせよ滝の音だと行くことにした。
標識を曲がると一気に暗くなる。自然に侵入を警告されているような気分になる。車を止めて道を1分ほど歩くと滝が広がる。88メートルの高さから川のように流れだす滝は力強く、水のエネルギーがとめどなく放出されている。音を録るがホワイトノイズのようにも聞こえる。

これは6月の定期で使います。


それでもここに来た意味があったと強く思った。

このシーンが目に浮かぶように。

そうこうして晩御飯も作って食べ、お風呂も順番に入り、みんなは就寝。こうしてnoteを書いている間にまるで洗濯機の中にいるかのような雨の音が聞こえる。外は滝のような大雨なのだ。
明日は03:45出発。明日はお天気がましでありますように…

20240408


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