予測力を高めるために必要なこと

以前の記事 で,マネジメントとはいかに不確定要素と向き合うかであると書いた.そこでは,いかに不確定要素を 受け入れるか という視点で考えていたが,そもそも精度高く予測できれば不確定要素を なくせる のではないかと思い, 超予測力:不確実な時代の先を読む10カ条 を読んだ.

本書では,IARPA (情報先端研究開発局) とおこなった予測力に関する実験で,抜群の的中率をを叩き出した「超予測者」のアプローチを探っている.

以下の 2 つが興味深く,今後に活かせそうだと思った.

① 「外側の視点」からはじめ,「内側の視点」で調整する

レンゼッティ家はチェスナット通り 84 番地の小さな家に住んでいる.フラ
ンク・レンゼッティは 44 歳で,引越会社で経理の仕事をしている.妻のメア
リーは35歳で保育園で働いている.2 人には 5 歳になる息子のトミーがいる.夫を亡くしたフランクの母カミラも同居している.ここで質問だ.レンゼッティ家がペットを飼っている可能性はどれくらいか.

この質問に,ほとんどの人は,まず,一家の詳しい情報に目を向ける.一方で,超予測者は,まず,アメリカの家庭の何 % がペットを飼っているかを考え,そこから詳しい情報をもとに上下に調整する.本書ではこれらをそれぞれ「外側の視点」「内側の視点」と呼ぶ.フェルミ推定の考え方に近い.

② 「トンボの目」を持ち,他者の見解の統合を繰り返す

超予測者は,あくまで自分の予測を「たたき台」だと認識しており,それを広く公開し,他人の見解や客観的な指標を統合する作業を延々と繰り返し,予測をアップデートし続ける.本書ではこれを「トンボの目」と呼ぶ.

① ② ともに,主観ではないエビデンスが重要という意味では主張は共通している.書いてみると当たり前のことではあるが,この視点を意識して持っていられるようにしたい.

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