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【活動報告】#ピルコンルームno.27 「性暴力を防ぐ #第三者介入 ワークショップ」

こんにちは!ピルコンインターンのゆきこです!
ピルコンnoteを開いてくださって、ありがとうございます。
このnoteでは、ピルコンルームのイベントレポートをお届けします!今回も役に立つ内容が盛り沢山なので、ぜひ最後までお読みください✨

ピルコンでは、7月27日(水)20時より、 #ピルコンルーム no.27「性暴力を防ぐ # 第三者介入 ワークショップ」を開催しました!今回のゲストは、「女性をはじめとするあらゆる性の人が、自分らしく生き、自由に想いを口にすることができる社会」を目指し、性的同意第三者介入に関するワークショップの開催や、ハンドブックの制作など幅広く活動されているちゃぶ台返し女子アクション(https://chabujo.com/中村果南子さん

イベントで使用したスライド「BYSTANDER INTERVENTION 性暴力を防ぐ#第三者介入ワークショップ 一般社団法人ちゃぶ台返し女子アクション 中村果南子」

イベントでは、ちゃぶ台返し女子アクション中村さんから第三者介入の基礎的な知識のレクチャーを受け、第三者として介入するリスクや介入すべき状況を共有してもらい、最後は参加者のみなさんと一緒に、実際に起こりうる状況を想定したロールプレイングを行いました。

それでは早速内容を覗いてみましょう~~👀

TALK1 性的同意

性暴力を防いだり、その被害を最小限に抑えたりするにあたって、それ抜きにして考えることができないのが、「性的同意」です。
既にご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、改めて確認しておきましょう。

性的同意とは、全ての性的な言動において、確認されるべき同意のことです。お互いが「したい」という積極的な意思表示をしていることが大切です。

そして、中村さんによれば、見落とされがちなのが、
同意をとる責任は性的言動を始める側にある」ということです。

性的同意についてよく知っている相手でも、いきなり性的言動に直面すると、驚いたり、怖かったり、フリーズしたりしてしまって、反応ができないこともありますよね。これは、「断れなかった相手が悪い」のではなくて、「性的言動を始める側が同意を取っていなかった」ことが問題になります。

では、実際にどうやって性的同意をとればいいのでしょうか?
ここでは、「どういとは」のあいうえお作文で、5つのポイントを紹介いただきました!

積極的な同意をとるために 「ど」同意を毎回必ずとろう 「う」「うーん」や無言は同意じゃない 「い」いいえと言える状況でとろう 「と」途中でもやめよう 「は」相手の判断力を確認しよう
ちゃぶ台返し女子アクションスライドより(無断転載・転用禁止)

積極的な同意をとるために気を付けておきたいポイントが、すっきりとまとまっているので、とても覚えやすいですね!
ぜひ、この5つのコツを意識して、性的同意のプロを目指しましょう!

TALK2 第三者介入ってそもそも何?


いらすとや「痴漢を捕まえる女性」

お待たせしました。ではここから、今回のイベントのメインテーマである「第三者介入」について学んでいきましょう!
そもそも第三者介入(Bystander Intervention)って何のことかご存じでしょうか??

これは、「加害者でも被害者でもない第三者が、性暴力に発展し得る/助長する状況において介入することで、性暴力を予防・阻止すること」です。

今回のイベントでは、そんな「第三者介入」に関して、参加者の皆さんと一緒に
・第三者が性暴力を防止する力があることを理解すること
・性暴力の正しい知識や様々な介入方法を身に付け、介入できるようになること
を目標として学びを深めていきました!

まず、第三者介入は、なぜ大切なのでしょうか?

先程、性的同意のパートで確認したように、あくまでも性暴力の責任は、加害者にあります。しかし、その人が属しているコミュニティや周囲の環境が「性暴力って絶対にダメだよね」「ハラスメントなんて許さないぞ」という雰囲気があると、加害行為を抑えることができます。

つまり、コミュニティ全体として、性暴力にどうやって向き合い、取り組むのかを考えていくことに効果的なのが、「第三者介入」というわけです。

さらに、第三者介入は、パワハラ(パワーハラスメント)やアルハラ(アルコールハラスメント)、レイシズム(人種差別)など、あらゆるハラスメントに対抗することにも有効です。

今回学ぶ「第三者介入」を色々な場面で使って、より良いコミュニティを作っていけるようにしましょう!

ワークショップ①これまでの経験を振り返ってみよう

ここからは、参加者のみなさんの「第三者介入」の経験を振り返るというディスカッションをしました。

ご自身の「第三者介入」を振り返るポイントは以下の3つです。
①困った状況に介入できなかった経験
②困った状況に介入出来た経験
③自分が困っていたとき、誰かに介入してもらった経験

性暴力と関係のないことでも、些細なことでもOKです。今noteを読んでくださっているみなさんも、この3つのポイントを使って、自分のこれまでの経験を一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

ちなみに、イベント中のグループワークでは、
・「飲み会で若い女性社員が、40代くらいの男性上司にセクハラ発言をされていたときに、何も行動できなかった」
・「横断歩道で倒れていた人を助けることができた」
・「街中で物を落としたときに、『落としましたよ』とそれを拾って声を掛けてくれた」
などの経験談をシェアしました。
意外と普段の生活のなかでも、既に介入に当てはまることがあるんですね!

TALK3 第三者介入をするまで

イベントで使用したスライド「第三者介入をするまで」

誰でもスムーズに第三者加入ができる、というのが理想かもしれませんが、
何か引っかかるな、と思ったり、見過ごしちゃったりすることもありますよね。
これってどうしてなんだろう?というのを今から解きほぐして考えてみたいと思います。

まず、第三者介入の5つの段階を紹介していきます。

①「介入すべき出来事に気づく」
(例)道端で立ち止まっている人に気づく
②「その出来事を問題として捉える」
(例)その人が具合が悪そうで、助ける必要があると理解する
③「自分自身の責任を引き受ける」
(例)その人を助けるために自分が何かできる立場であると理解して、自分が介入する責任を引き受ける
④「介入の方法を理解する」
(例)自分ができること(応急手当をする、周囲に助けを求める、救急車を呼ぶ、など)を考える
⑤「介入を実行する」
(例)④で考えた介入方法の中から、自分で出来そうなものを選んで行う

このように、第三者介入をする際には、意外と多くのステップを経由しています!
そして、そのステップの狭間で様々な方向に思考を巡らせているという点で、介入が出来ること自体、本当に素敵で勇敢なことなんです。

ですが、このステップの中で、介入を妨げる要因が登場することもよくあります。

それが「傍観者効果」です。
これは、周りに自分以外の人がいる状況で、率先して当事者になろうとしない集団心理を表しています。

これまで、第三者介入を妨げる要因をたくさん紹介してきました。
皆さんの今までの経験を振り返るなかで、「こんな要因があったから介入できなかったんだ」というように、思考を整理をすることができたのではないでしょうか。

するべき場面で介入できると、誰かを助けられるだけではなく、自分自身を誇らしく思ったり、達成感を抱いたりすることができますよね。

ここからは、今まで紹介してきた「介入を妨げる要因」を乗り越えるためにできることを考えていきましょう。

改めて、「なぜ介入することが大切なのか」を考えると、その理由を大きく3つにわけることができます。

まず一つ目は、「介入することで事態の悪化を防ぐ」こと。

二つ目は、「自分自身の信条や理念に正直になれる」こと。
勇気を出して行動ができると、「やればできるじゃん!」と自分に自信もつきますよね。

三つ目は、「介入することで『加害行為は許さない』というメッセージの発信になる」こと。

自分が属するコミュニティをより良いものにしていくためにも、やはり第三者介入は有効なんですね。

TALK4 第三者介入の実践ポイント


ここからは、実際にできる介入方法として、それぞれの方法の頭文字をとった「5つのD」を紹介いただきました。

まずはそのうち「3つのD」、実際にその現場に出くわした時の介入方法です!

「THE THREE D'S DIRECT 直接介入する 加害者や被害者になろうとしている人に直接干渉し、事態を悪化させない DISTRACT 気を逸らす 加害者や被害者の注意をひいて、問題となりうる状況を回避する DELEGATE 委任する 適切に介入できる別の人に助けてもらうようお願いする」

①DIRECT(直接介入する)
加害者と被害者になろうとしている人に、直接「やめてください」「ダメですよ」と声掛けをするなどして、直接干渉することです。

②DISTRACT(気を逸らす)
話を変えたり、わざと水をこぼしたりして、加害者や被害者の注意をひいて、問題となりうる状況を回避することです。

③DELEGATE(委任する)
自分が直接関わるのではなく、適切に介入できる誰かに助けを求めることです。
介入といえば、「自分がやらなきゃ!」と頭がいっぱいいっぱいになってしまうかもしれませんが、周りを巻き込むことも、立派な介入方法です。

そして最後に「2つのD」、その事態が終わった後にできる介入方法を紹介します。

「OTHER D'S DOCUMENT 記録する 加害行為を目撃したらその事実を記録する DELAY 事後介入 被害にあった人に対して声をかけたり、フォローアップ・サポートする」

④DOCUMENT(記録する)
加害行為を目撃したら、メモや、記録を残しておくことです。そのときは何もできなくても、後から「記録してあるんだけど」「あのとき見てたよ」と声をかけたい、証言することも、効果的な介入方法です。

⑤DELAY(事後介入)
被害を受けた人に「大丈夫だった?」「こういうサポートがあるよ」と声をかけたり、今後の対応を一緒に考えてあげることです。

ここまで、「3つのD」と「2つのD」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?直接的に関わること以外にも、様々な介入方法があることがわかっていただけると嬉しいです。

もし皆さんが実際に介入するとき、大切にしてほしいことは、
介入する側も安全でいられる状況で対応する」ということです。
第三者として介入したときに、自分も被害にあってしまったら、被害は2倍になってしまいます。
なので、あくまでも自分を安全に保ちつつ、5つのDを駆使して、その場にあった介入方法を探してみましょう。

ワークショップ②ロールプレイで第三者介入を実践しよう!

さてここからは、イベントで実際に行った第三者介入ロールプレイについて紹介していきます!

イベントで使用したスライド「ロールプレイで介入してみよう」

まず、グループに分かれ、就活や飲み会などでよくある場面を想定して、どんな第三者介入ができそうか考え、みんなの前でロールプレイを披露しました。

イベント中のロールプレイでは、
・「グラス空いていますけど、次何飲みますか?」と声をかけて話を逸らす
・「お水無くなっちゃってるから一緒に入れに行く?」と困っている人をその場から抜け出させる
・困っていそうな人にスマホを使って道を聞くことで気を逸らす
・他の同じ方面に帰る人を何人か呼んで、みんなでタクシーに乗る
など、グループワークで盛んな交流が行われ、沢山の介入方法を提案して頂きました!

どのグループの提案も、事態を悪化させないように自分がどのDを使えるかを考えていたのがとても伝わってきた内容でした!
 

参加者アンケート

参加者のみなさまから、講演後にアンケートを記入していただいたので、
その結果を少しだけシェアさせてもらいます!

1 講座を通して初めて知ることがありましたか?の回答を円グラフで示している。「とてもそう思う」が33.3%、「そう思う」が44.4%、「あまりそう思わない」が22.2%
2 講座はあなたの役に立つと思いましたか?の回答をグラフで示している。「とてもそう思う」が66.7%、「そう思う」が33.3%

アンケートに答えてくださった全ての方に、このイベントが「役に立つ」と回答して頂きました!本当にありがとうございます!

また、貴重なご感想も沢山書いていただいたので、紹介させてください。

自分が第三者の場合は前持ってたくさん方法を準備すると実際の場合はもっと素早く行動できるようになると思いました。
ワークショップをして、主体的に考えることができたのはとてもよかったです。
第三者介入のワークショップで、実際の場面を想定してのロールプレイまでできたのが実践的でよかった。導入~講義~実践まで、参加者との双方向のやり取りをしながらのワークの流れがとてもスムーズだった。
具体的な場面で何が出来るかを考えられたことが良かったです。
レクチャーを聞くだけでなく、実際に参加者がロールプレイをしたこと。実演したことで、第三者介入の方法を実生活でどう実現できるか考えやすかった。

第三者介入をワークショップやロールプレイで体験するという方法が印象に残った、という方が多いようですね!

防災訓練と同じように、日々の備えがあるからこそ、いざというときに実力が発揮できるのかもしれませんね。
今回のイベントで、第三者介入には様々な方法があることを学びました。
ヒーローのようにかっこよく誰かを助けることはできなくても、自分なりにできる方法を、常々頭の中で考えておくことが大切なのではないでしょうか。

さて、長い文章を最後までお読みいただきありがとうございました!
また次のnoteでお会いできると嬉しいです✨
 
 
 
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それでは次回もお楽しみに! 
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この記事を書いた人⇒ゆきこ💛
早稲田大学の3年生で、ピルコンのインターンとして活動に参加中。「性について気軽に語れる場をつくっていきたい!」という気持ちから性教育に興味を持つ。最近は、世界の性教育に興味あり🌏
 


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