詩「法則」
潰えていく気概を傍観する
吹けば飛んでいってしまうような安寧が
努力の交換により成立しているなら
真顔で手を振る瞬間から
緩やかに死滅していくのだろう
注がれる優しさすら
むずがってしまうのは
そんな資格などないと分かっているから
それでいて
事実を詳らかにする勇気など微塵もなく
面を変え、名を変え、
狡猾に微笑んで
繰り返す過ちの予見から
自責の泉に身を投げても
無様に手をあげ、声をあげ
結局は助かってしまう
裁かれるのを待ちわびながら
延命措置を自ら施す業の深さ
内在する振り子は
条件にかかわらず定まる気配はない
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