漫画『僕の妻は感情がない』に癒されて
最近『僕の妻は感情がない』という漫画に癒されている。
なんとこの「妻」、ロボットである。
ひとり暮らし3年目。
仕事が忙しく家事をする暇がないタクマは、新たに家電を購入した。
それが家事ロボット(料理特化型)であり、のちに彼の「妻」となるミーナちゃんとの出会いであった。
小柄で、ちょっとつり目気味の澄んだ大きな瞳が印象的。両耳の上でみつあみをねじったお団子がよく似合う。
ロボット+ロリ+母性という強めな属性。
日常的に自分の感情に振りまわされている私は感情の乏しいキャラに惹かれやすい。
ないものねだりなのか?憧れなのか?
最初はほぼ無感情なのに、話が進むにつれ感情を少しずつ習得していく展開が個人的にどストライク。
今回取り上げた作品もそんな感じで私の心をくすぐってくるのだが、ひと味違うのはミーナちゃんの「顔の表情は全く変わらない」ということ。
金属プレートが顔面に接着されている設定なので、表情パーツは基本的に固定されている。
眉も口も動かない。
例外的に自由度が高いのは目、かもしれない。
初めてタクマと一緒に眠るとき、目を開きっぱなしだったミーナちゃん。
タクマに「目こわい、閉じて」と言われ、「かしこまりました」と返答。
翌朝。
ずっと目を細めているミーナちゃん。
それを見て「眠いの?どっか壊れた?」と心配するタクマ。
ミーナちゃんはなぁ、寝るときにタクマに言われた「目こわい、閉じて」をきっちり学習して「命令」を守ってるんだよ!
なんですぐに気づけないの?と、やや荒ぶりながらミーナちゃんの肩を持つ私。笑
でも大丈夫。
タクマはできる子でした。(なにさま)
「目が怖いって言ったのは至近距離で君に見つめられるとドキドキしちゃうって意味の怖いなんだ。とってもきれいな目してるだろ。恐怖の意味で言ったんじゃないんだよ」
こんなふうにタクマが「怖い」の意味を丁寧に説明すると、ミーナちゃんは「ぱちっ」と目を開いた。
……といろんなことを日々学習していくミーナちゃん。
どんなに学習を重ねても(*^^*)←こんなふうな笑みをこぼすことはないけれど、なぜか「ドヤ顔」をしているように見えたり、「しゅん」としているように見えたりしてくるから不思議。
顔を反らしたり、頭を下げたり、表情がくるくる変わらずとも感情は伝わるんだ……ということを思い出させてくれる。
漫画ならではの感情表現も面白い。
背景を黒くして彼女の悲しみを、「キリリっ」という書き文字で彼女の自信を、読者に読み取らせることができる。
また、タクマからもらった指輪を空に掲げて見つめる彼女の瞳は心なしかキラキラしているように見える。
もしかしたら視覚ユニットにダイヤの輝きが映り込んでいるだけかもしれないけど。
でもね、指に直接はめるとエラーメッセージが出るからってね、チェーンに指輪を通して大切に首からぶら下げている行動がもうね、喜びを体現している気がしたのよ。
僕の妻は感情がない、なんてタイトルをつけられながらいろんな形で感情を伝えてくれる、というか無表情ながらも感情がダダ漏れなミーナちゃんがあまりにも可愛い。
表向きには「私のことを家族だと思っている以外はふつうの男性です」とタクマのことを紹介するクールさも魅力。
あと。
新キャラ(この子もロボット)が悪気なくタクマとミーナちゃんの間に入って眠ろうとしたとき……彼女が新キャラを「ポイっ」と布団の外に投げ飛ばすシーンがすき。
え!ミーナちゃん嫉妬してる?!!と悶絶した。
やがて新キャラとも少しずつ仲良くなっていく。これも見どころ満載だけど、今回は割愛。
ロボット工学の知識がある人はまた別の楽しみ方もできるかも?
私はその辺は全く詳しくないので、ただただミーナちゃんや新キャラの感情表出と成長過程を楽しみました◎
2023年3月現在、まだ完結はしていない。
何をもって完結とするのかドキドキ。
個人的には表情がくるくる変わる、ニュータイプのミーナちゃんにはなってほしくないな、なんて思ってしまう。わがままな読者だ。苦笑
タクマから向けられる愛情に無機質なまま、どこか不器用なまま、安易に表情に頼らずいろんな感情を示していてほしい。
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