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「価値」という言葉の意味合い

人は、まだ幼い時分には、
抽象的な概念、抽象的な言葉
理解することは至難の業です。

最初は、目に見える、手で触れる
具体物を通して言葉を学び、
似た者同士を括った呼び名を覚える
ような体験を通じて、抽象度の高い
概念や言葉を徐々に覚えていきます
よね。

マーケティングでよく使う
「価値」
という言葉も、抽象度の高い概念だと
言えるのではないでしょうか。

デジタル大辞泉によれば、
その定義は以下の通りです。

1 その事物がどのくらい役に立つかの度合い値打ち。「読む価値のある本」「価値のある一勝
経済学で、商品が持つ交換価値の本質とされるもの。→価値学説
哲学で、あらゆる個人社会を通じて常に承認されるべき絶対性をもった性質。真・善・美など。

出典:コトバンク「デジタル大辞泉」

マーケティングは経済学と関連が
深い
と捉えられるので、上記説明の
中であれば、2の「交換価値の本質」
というのが最も近い定義
だと言える
でしょう。

この「交換価値の本質」という説明が
難しくて、つまづく人が多そうです。
「労働価値説」とか「効用価値説」
いった「価値学説」を説明されても、
なかなか理解が難しそうですから。

お客様が商品(モノやサービス)に
対して代価を払いたくなるのは、
払うに足る「価値」を感じるから
だと考えられます。

マーケティングの考え方の基本は、
いかにお客様にこの「価値」を
感じていただけるかを追求
すること。

ちなみに、「価値学説」の補足を
しておくと、

労働価値説:商品価値の実体を、その生産に要した労働量とみなす
効用価値説:商品価値の実体を、人間の欲望を満足させる効用とみなす

出典:コトバンク「デジタル大辞泉」

ですので、「労働価値説」は
まるで押し売り

たくさん時間がかかったとか、
人手が多く必要だったとかいった
「生産に要した労働量」自体は、
購入する側からすれば基本的に
どうでもいいことが多いはずです。

それよりも、その商品が自分に
何をもたらしてくれるのか、
自分の問題を解決してくれたり、
希望を叶えてくれるのかどうかが
より決定的に重要
であることは
言うまでもないでしょう。

以上のところを踏まえれば、
自ずと「労働価値説」ではなく、
「効用価値説」に依拠するべきだと
いう結論になりそうですね。

「効用」という言葉自体を、
「(自分にとって)良いこと」
「(自分にとって)嬉しいこと」

という意味合いに読み替えてあげれば、
古めかしい言葉がグッと分かりやすく
なるのではないでしょうか。

そんなわけで、「価値」を追求する、
すなわち「お客様にとって嬉しいこと」
を追求することに、今日も取り組んで
いきましょう。

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