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Netflixの勢いの源泉が垣間見れるインタビュー

noteのプロデューサーで、
ブロガーとして著名な徳力基彦さんが、
Netflixの日本トップ坂本和隆さん
インタビューされた記事が
東洋経済オンラインに掲載された。

非常に面白く、興味深い内容と
なっているので、
是非とも記事本文をお読み
いただきたい。

ここでは、自分の備忘録も兼ねて、
特に面白かった点をピックアップ
して紹介しておこうと思う。

『ONE PIECE』は本当にたくさんのコアなファンの方がいて、実はファンの方って、7割ぐらいは別に実写は見たくないという思いもあったりするんですよね。
だからこそ、マンガ原作のDNAを深く理解するというところに注力して、この作品を通してNetflixに2億3000万世帯以上の方がいる中で、コアファンはもちろんですが、特に初めて『ONE PIECE』に触れる人を増やすことを目指しました。

東洋経済オンライン記事:5頁中2頁目

そう、世界観を壊されたくないから、
コアファンは「実写化反対!」という
人が少なくない。
記事では「7割」という具体的数字が
出ているから、ちゃんと裏付け調査を
実施したのだろう。

そんなコアファンからの信頼を裏切る、
あるいは壊すようなことは、
何より原作者の尾田栄一郎さんが
絶対に望まない
ことだ。

実写版解禁の際に、
Netflixと尾田さんとの間に
それはそれは熱い、
妥協なきやり取りがあった
ことが
明かされている。
そのやり取りを「コンテンツ」化して
広告展開
している手腕も見事だが、
実際のやり取りが本当に妥協のない
ものだったからこそ、広告でありつつも
我々の心に迫るものがある
のだろう。


実は8年前は英語至上主義の会社だったんですけど、「それだと才能が枯渇してしまうから、そこは変えたい」と当時のリード・ヘイスティングCEOと直接提案したら、「面白い、だったら挑戦してみろ」と言ってくれたんですよね。
その結果、今は英語力ではなく才能を重視して採用ができていますし、今だと、トップが日本に来たとしても、会議で英語で議論するのではなく、トップは日本語の議論を通訳経由で聞くようにしてます。
そういうことも含めて、今のNetflixは本当に各国の現場を尊重してくれるので、『ONE PIECE』の可能性を説明する大変さはほぼなかったですね。

東洋経済オンライン記事:5頁中3頁目

外資系に長く勤める自分にとって、
このくだりには正直驚かされた。
よく自分たちのことを「植民地」
卑下するほどに、本社、本国の
トップの力は絶大なことが多い。

そのトップに直接掛け合って、
クリエイティブ人材は英語ではなく
才能重視で採用することを認めさせ、
現場での仕事に敬意を払わせている

坂本さんの力もさることながら、
トップマネジメントの度量の広さ、
何が大切かの見極めの適切さ

素晴らしい。


「ライバルは?」とよく聞かれるんですけど、変な話、ライバルは食事です。食で1日に3回感動する人もいるので、全然ジャンルが違うんですけど、食というエンターテインメントってめちゃめちゃ強いと思うんですよね。Netflixは余暇の時間をいただく立場なので、そういった感覚を持っていますね。

東洋経済オンライン記事:5頁中5頁目

「Netflixのライバルは?」と聞かれたら、
ほとんどの人は
・YouTube
・Amazon Prime
・TVer
・ディズニー
・Hulu
などの動画コンテンツを提供する会社を
挙げるのではないだろうか?

しかし、坂本さんは
「ライバルは食事」
とズバリ発言している。

これは、非常に本質的な指摘だ。
人生というのは時間でできており、
その可処分時間を何に使うか、
それをめぐる競争
が行われていると
考えると、Netflixと競合するのは
確かに「食事」かもしれない。

あるいは「睡眠」もライバルだろうし、
「SNS」もライバルと言えそうだ。
いずれにしても、ライバルが誰かを
考える視点の鋭さ
は、是非とも
見習うべきポイントだろう。


一時、かなり危機的な状況との噂も
出ていたNetflixだが、この記事を
読む限り、まだまだ成長路線を
突っ走りそうな勢い
である。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。