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メタバースについて編集者が今考えていること(3)フルダイブ型デバイスが持つ可能性

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「仮想空間」としてのメタバースと、フルダイブを含めた体感型デバイスの開発・進化については、切り分けて考える必要があると僕は考えています。

体感型デバイスというと、現状では、たとえばヘッドマウントディスプレイ(頭からかぶり、3D映像を観て、ヘッドフォンから音を聴くことによって、仮想空間をよりリアルに感じるデバイス)がイメージされますが、本質的には視覚、聴覚だけではなく触覚、味覚、嗅覚にもアクセスしていく可能性があります。また、自分の身体的な動作、あるいは動作を行おうとする脳の電気信号によってコントロールできるデバイスなどの登場も考えられます。

これらが統合されれば、まさに「ソードアート・オンライン」の世界になる、ということだと思います。

これらのデバイスとメタバースの関係は、一般には、前述の仮想空間への没入感を高めることが期待されています。ただ僕はそれだけではなく、デバイスの変化によって「体験」そのものが変わる、という側面も無視できないと思います。言い換えれば、別に仮想空間そのものは大していまと変わらなくても、デバイスが変われば、圧倒的に体験が変わるのではないか、という可能性です。

新しいデバイスの登場によって社会が大きく変わるということは、これまでの歴史で、繰り返し起きてきたことです。馬に乗ることによってモンゴル帝国はユーラシア大陸を制覇しましたし、自動車や航空機の登場によって、第一次世界大戦以降の戦争のありようはまったく変わりました。

最近では、パソコンや、スマートフォンの登場によってどのように我々の生活や体験が変わったかということをイメージすると、わかりやすいのではないでしょうか。「それが登場する以前の世界」を思い浮かべることが困難になるようなデバイスが、この領域に登場するかどうか? 仮にそうしたデバイスが登場すれば、人々の生活や経済が大きく変わる、ということは考えられるでしょう。

ともあれ、この2点が、メタバースを考える上で重要な2つの方向性です。ただし、注意してほしいのは、この2つの側面は、別に「セット」ではなく、切り離し可能である、ということだと思います。仮想空間の話は、デバイスとセットで考えることもできるし、切り離して考えることもできる。フルダイブデバイスについても、必ずしも仮想空間とセットで考える必要はないというのが、私の考えです。

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