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映画パンフレット感想#4 『ノスタルジア 4K修復版』

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感想

大満足。

スチールの量が十分にあり、大きく見やすく、スクリーンの情景が蘇ってくる。良い。

テキストも量も質も大満足。扱われるテーマも多角的で読み応えバッチリ。

いかんせん設定やディテールが拾いにくい映画なので、人名や地名など様々な情報を正確に確認できるのがまず嬉しい。

各寄稿も、アプローチがそれぞれ異なり面白い。余白の多い映画だけに、各者で解釈が一部異なっていることも興味深い。「プロたちもバラバラなんだから自分だって自由に解釈して良いよね」という気持ちになれる。

終わりの方に「タルコフスキーの言葉」なる記事があり、タルコフスキーがいくつかのテーマについて語った短い格言のようなものが掲載されている。これ、面白い。

おすすめです。

独り言

須藤健太郎氏の寄稿では、「デクパージュ(カット割り)」と「モンタージュ」、つまり編集作業に着目して映画を読み解く論考になっている。以前わたしが読んだ、特集上映「カール・テオドア・ドライヤー セレクション」のパンフレットでも、須藤氏は『奇跡』(1954)を「デクパージュとモンタージュ」の観点から論じていた。個性が垣間見えて面白い。

沼野恭子氏の寄稿では、現在もなお続いているロシアによるウクライナ侵攻の話に触れられている。1983年に作られたこの映画と、2024年の現在を、読者の頭の中で結びつけるきっかけを与えてくれる。

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