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ひとりきりのバス

乗客が自分ひとりきりになったバスが、ちょっと好きだ。

どこか知らない場所へ、連れて行ってくれるような気がする。まるで、この世とは違う世界に繋がってしまいそうな怪談みがある。

だからつい、わくわくしてしまう。

実際は、降りたい停留所手前で「とまります」のボタンを押す。
そして荷物を持って、止まるのを待つ。

バスは私を異界へは連れていってくれない。

ただ、私の家の近くで降ろしてくれる。

神社の前で、バスを見送る。
そこから先は、自分の足で歩くしかない。

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