見出し画像

ビールの未来を拓く北大生の夢:醸造学科の創設に向けて

こんにちは!
パイオビアの宮地です🍺

新しい夢がまた一つ思いつきました。
北海道大学に醸造学科をつくる」という夢です!


クラフトビール産業の課題:人手不足

半年ぐらい前にお会いしてから、いつもお世話になっている「Hokkaido Beer Porter」の畠山さんとお話している中で、"人手不足"というキーワードが度々出てきます。

これは、飲み手が少ないということではなく(もちろん、もっとクラフトビールは普及できると思います)、ビール関係者が不足しているということです。

造り手不足の現状

畠山さんは長年、醸造家としてビールをつくってこられました。
今はブルワリーを持たずに、色々な醸造所で立ち上げのサポートであったり、オリジナルビールづくりをされていたり、ビールの学校を開催していたりします。

ビールサーバーの作り方を教えて頂きました

クラフトビール業界の「便利屋さん」として活動されている中で、近年ブルワリーはどんどん増えていくのに、さまざまな課題から造り手であるブルワーが辞めてしまっているそうです。

ブルワリーという"箱"があるのに、造る人がいないという大きな課題があります。

ビール界のソムリエ的人材の不足

また、先日サッポロファクトリーで開催したクラフトビールイベントを一緒に企画させて頂いたMaltheadsの坂巻さんは、ワインのようなソムリエ的な人がビール業界には不足している、とよくお話されます。

僕が子どもの頃までは、ビール=とりあえず生で!だったと思います。
ビールは嗜むお酒と言うよりは、がぶがぶ飲んで楽しむものというのが現在でも多数派なのではないでしょうか。

ワインは日常的に飲めるお手頃のものから、ブルゴーニュ地方の高級なものまであり、それぞれを皆さんが楽しんでいると思います。
特に、高級なワインを飲む人はソムリエにそのワインの特徴を聞いたり、自らワインの知識を学んだりしています。

昨日受けたビアテイスターの講習会では、ヨーロッパを中心にものすごい種類のビールがあり、それぞれのビアスタイルが誕生して物語があり、味わいや香りも多種多様で、とても面白いと思います。

坂巻さんのビアテイスターセミナー

ただ、多種多様すぎて何から学んでいけば良いかわからないような気もします。
いろんな種類を飲んでみるけど、それが何なのかわからないまま、ただ味わうだけになってしまっているように感じます。
クラフトビールを飲み始めた僕がそうでした。

クラフトビールにも、そのような知的好奇心を持ってビールについて学びたい人が、気軽に学べて全体像を理解できるような教育システムが必要なのではないかと考えます。

そこで僕の夢が一つ思い浮かびました。
「北大の農学部に醸造学科をつくること」です!

北大醸造学科の必要性

造り手である醸造家が不足しているのは、醸造家を教育する機関がほとんどないからです。
日本だと、東京農業大学には醸造学科があるそうですが、ほとんどの大学で醸造について学べる学科があるとは聞いたことがありません。

海外に目を向けてみると、ビール大国であるドイツにはミュンヘン工科大学醸造学科という、ビールをつくる人が世界中から学びに来る醸造所兼教育機関があります。

ミュンヘン工科大学醸造学科の醸造所見学にも行ってきました!

また、自分の家でビールづくり(ホームブリューイング)ができない日本の法律にも問題があると思います。
スポーツや料理では、アマチュア大会があったり食事パーティーを開いたり、気軽に実践することができます。

しかし、お酒を造るには免許が必要なため、アマチュアというものが存在しません。
ビールをつくりたければ、いきなりプロの世界に飛び込まないといけないのです。

教育システムの提案

大学に醸造学科ができれば、酒づくりをプロから教えてもらうことができ、お酒の持つ神秘的で科学的な面白さに触れることができると思います。
酒造業界に就職しなくとも、微生物や酵素を学んだ知識は必ず他の業界でも役立ちます。

また、酒づくりのみならず、ビール、日本酒、ワイン、ウイスキーなどの蒸留酒の歴史も学んだり、アルコールが人間にもたらす効用や悪影響を知ったり、実際にマーケティングをして消費者の求めていることを探ってみたり、地域創成と絡めたり、「お酒」をツールにして社会を知ることができると考えます。

僕は北大の農学部農業経済学科です。
農産物の流通や協同組合、農業政策だけでなく、土壌学や作物学なども学びました。
北大農学部には、畜産学科や森林学科があります。
今、ワイン研究に大学が力を入れ始めており、北大卒業生にはジンやウイスキーなどのお酒をつくる会社の社長さんもたくさんいます。

積丹にあるジン「火の帆」
とても美味しかったです!

北海道こそ、日本のビール文化の始まり

ビールに関して言えば、北海道は日本のビールの歴史に重要な役割を果たしています。
明治時代、開拓使がビール事業を始めたことにより、日本人によるビールづくりが誕生しました。

幾度とない困難を跳ね除けて、北海道産原料100%、瓶までも北海道産のビールをサッポロビールの前身である開拓使麦酒醸造所は作っていました。

北海道は日本で唯一、主原料である大麦とホップの両方ともが生産に適した気候であり、フルーツや野菜などのビールにバリエーションを加える副原料も地域によって多種多様です。

サッポロファクトリー内にあります

開拓使の時代から、偉大なクラーク博士のもとで始まった札幌農学校の系譜を受け継ぐ北大農学部に醸造学科ができれば、日本のお酒文化はきっと正しく浸透していきます。

ビール関係者お二人から聞いた課題の早急な解決策にはなりませんが、将来を見据えた時に醸造学科があることは非常に重要なことだと考えます。

これもいつか完読したい…

最後に、僕は農業経済学科でありますが、好奇心の赴くままに醸造やビールについて自ら学んでいます。
単位が出ないからとか、教科書がないからとかではなく、面白いから学んでいます。

僕がこれまでのどこかで挫折をして、ビールを学ぶことを捨てていた可能性も十分にありました。
より多くの人がお酒や発酵について学び続けられる機会の提供を、北海道大学農学部ができたら嬉しいですね。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

そして、「スキ」「ハート」をポチッとしていただけると嬉しいです。
noteのアカウントをお持ちでない方も、匿名でポチッとできますのでぜひ。

パイオビアでは、北大生が作ったオリジナルビールを販売しています!
(瓶、缶は今春販売再開予定です。)

今年の3月は、第三弾のダークナイトビールを樽生で提供することができます。
約30人以上の規模のイベントにお呼びして頂けると、樽とサーバーを持って樽生ビールを注ぎます!
(残りわずか!)
ご予約、お気軽にお問い合わせください。

Instagramもやってますので、よければフォローもお願いします。

公式Instagramはこちら
代表 宮地のInstagramはこちら

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?