第24話『フシギ伯爵とクイズの豪邸』

怪盗イタッチ大作戦!!

著者:ピラフドリア

第24話
『フシギ伯爵とクイズの豪邸』

ある豪邸にある名画を盗むため、フシギ伯爵の屋敷に侵入していたイタッチとダッチ。
 図面を手に入れたアンから、無線で指示をもらいながら、名画の保管されている地下倉庫を目指していた。

「その先です。ここから地下室へ行けます」

イタッチ達は地下に繋がる扉を見つけたが、そこにはモニターがあり、近づくと文字が表示される。

『あなたがフシギ伯爵本人であるか、クイズを出します。答えることができれば、扉が開きます』

その文字を見てダッチは首を傾げる。

「クイズ? なんだこれ」

「フシギ伯爵はクイズ好きという噂がある。だから大事な場所にはクイズをパスワード代わりにしているらしい」

モニターにクイズが表示される。

『門番の猿と豚。どっちが鍵を持っている?』

モニターには解答欄が現れる。

「どっちが鍵を持っているか? そんなのわかるわけないだろ。イタッチ分かるか?」

イタッチは腕を組んで考える。

「猿と豚か。どっちが鍵を持っていると思う? みんなも考えてみてくれ!」

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問題
 門番の猿と豚。どっちが鍵を持っている?

ヒント:言い方を変えてみよう!!

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ダッチが悩んでいる中。イタッチが閃いた。

「そうか、分かったぞ」

「分かっただと? どういうことだ?」

「猿は英語でなんて言う?」

ダッチは答える。

「モンキーか」

「モンキー、モン・キー、キー。キーは英語で鍵」

「名前に鍵を隠し持っていたのか!!」

「そういうことだ。答えは猿だ!!」

モニターに解答を打ち込むと、機械音が流れる。

『正解です!! 奥に進んでください』

扉が開かれて地下へと繋がる階段が現れた。

階段を降りて地下室へと入る。

イタッチは無線で地下へと侵入したことをアンに伝える。

「地下に侵入した。この後の通路はどうなってる?」

地上とは違い、地下での無線には雑音が紛れ込む。しかし、どうにか音声を聞き取ることができた。

「こ……先は一方通行……す。まっすぐ進んで…………い」

「了解。地下だと無線に雑音が入る。次の連絡は脱出してから行う」

「了解……」

無線を終えて階段を降り切ると、細い通路が続いていた。通路を進み、一番奥まで辿り着くと鋼鉄の扉が立ち塞がった。

その扉には先ほど同様にモニターが設置されている。

「またクイズか」

ダッチが嫌そうな顔をする中、モニターに問題が表示される。

『二つに割らないと使えないものって何?』

次の問題だ。イタッチ達は問題の答えを考える。

「二つに割らない使えないものか……。ダッチ分かるか?」

「あー、えーそうだな。手榴弾とか?」

「割るっていうか、引っ張ってるよな。それは……」

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問題
 二つに割らないと使えないものって何?

ヒント:お弁当を食べる時に使うよ!

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考えたイタッチは思いついた。

「そうか。分かったぞ!!」

「お! やっぱり手榴弾か?」

「違う割り箸だ!!」

イタッチの答えを聞いたダッチは口を開けて納得した。

「割り箸かー!! 確かに割らないと使えないな!!」

モニターに答えを打ち込んむと、機械音が流れた後扉が開いた。

扉の先は地下倉庫。ここに今回の目的のお宝があるはずだ。

「あったぞ。イタッチ」

倉庫の一番奥に目的の名画を発見する。名画を手に入れて、地下から脱出しようとしたが、唯一の脱出手段だった扉が閉まってしまう。

「そこまでだ。怪盗イタッチ、そして四神のダッチ」

黒いマントを靡かせて、シルクハットを被ったイルカが天井から降りてきて、扉の前に立ち塞がった。

「お前はまさか……」

「そう。この私こそがフシギ伯爵本人である!!」

突如現れたフシギ伯爵。彼の手にはこの施設のセキュリティーシステムの制御リモコンが握られていた。

「私とクイズ対決だ。私に勝つことができたのなら、ここから出してやろう。しかし、勝てなければ、お前は一生ここで暮らしてもらう」

「良いだろう。クイズ対決、受けてたってやる!!」

ダッチが動揺する中、イタッチの賛同でクイズ対決が開始される。
 フシギ伯爵の杖から映像が出てきて、問題が表示される。

「問題だ。『ショートケーキの日というのがあります。 それは毎月22日です。 なぜ、22日がショートケーキの日なのでしょう?』」

「ショートケーキの日? 誰かの誕生日?」

「さぁな。この私のクイズを解けるものなら解いてみろ!」

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問題
 ショートケーキの日というのがあります。 それは毎月22日です。 なぜ、22日がショートケーキの日なのでしょう?

ヒント:カレンダーを見てみよう!! 22日の上は何日かな?

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腕を組んで難しそうな顔で考えていたダッチが、閃いて問題を答えた。

「答えは22日はショートケーキが安く仕入れられる日だからだ!!」

「なぜそう思った?」

ダッチは自慢げに答える。

「俺の組織の経済力を持ってすれば、全世界のショートケーキの値段を操作することは余裕」

しかし、ダッチの答えにフシギ伯爵は

「違います」

答えは違かった。フシギ伯爵はダッチに杖を向けると、杖から不思議な光線を放つ。

「なんだ、これは!? うわーー!!!!」

「ダッチーーー!?」

ダッチは石に変えられてしまった。

「さぁ、残るはイタッチ。君の解答だ。君の解答が正しければ、ダッチ君も解放してあげよう」

答えを間違えてしまうと石にさせられてしまう。絶対に待ち構えることはできない。
 だが、イタッチにはもう答えが分かっていた。

「答えはイチゴが上にいるからだ!!」

「なぜ、そう思った?」

「カレンダーで22日の上には15日がある。イチ、ゴだろ」

フシギ伯爵は杖をイタッチに向ける。

「その答えは……」

しかし、光線を放つ前にダッチの方に杖を向け直した。

「正解だ!!」

石になったダッチにもう一度光線を浴びせると、ダッチは元の姿に戻った。

「はぁはぁ、俺は……。た、助かったぜ、イタッチ」

「さぁフシギ伯爵。ここから出してもらうぞ!!」

ダッチが元に戻ったイタッチはフシギ伯爵に言うと、フシギ伯爵は頷く。

「約束は約束だ。ここから解放しよう。だが、次こそは勝つぞ。さらばだ!!」

フシギ伯爵はマントに包まれると高笑いと共に何処かへと姿を消した。

「フシギ伯爵。なかなかの強敵だったな……」

名画を持ってイタッチ達は豪邸を抜け出した。

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