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2023年度志望理由書備忘録①

今年度の推薦入試のお手伝いがほぼほぼ終わりに近づいてきました。
と言っても、私は本来やるべきでないお手伝いを勝手にやっていたので、組織の中ではよろしくない行動をしていたことになります。
今日は、何度も「やらなくていいです。断ってください」と言われながらやり続けた理由を記録しておきます。

予備校講師時代、志望理由書の添削は仕事としてやっていました。早慶、上智などたくさんの志望理由書を手伝う中で合格するための書き方とそれを書いてもらうための指導について10年以上経験を積みました。
私のやり方は、たくさん対話しながら自分がやってきたこと、これからやりたいことについて顕在化されているものはもちろん、潜在的なものを引き出して整理していくもので、生徒たちに自分の内面と向き合ってもらうので、推薦入試の結果が芳しくなくても「この大学に行きたい気持ちが高まりました。一般入試でがんばります」とよく言ってくれたものでした。

その後、学校教育の現場に戻ってからも、個人的に志望理由書の指導を頼まれることはありましたが、大きい仕事としては3年目に所属していた学年の主任から「志望理由書プロジェクト」の企画と指導を依頼されたことでした。たとえ推薦入試を考えていなくても、高校2年生の段階で自分の大学への志望理由をしっかり文章に残しておくことで受験への気持ちを高めていくという目的で行われたこのプロジェクト、LHR数時間を使い、全員が800字で書き上げることができました。
実際に効果があったのかは明確ではないし、3年生になって本当に志望理由書を書くことになった時、書き方を覚えていた生徒はほとんどいませんでしたが(悲しい…)、自分の興味関心に向き合い、大学の学部学科について調べ、それについてクラスメートと語り合う、という時間はマイナスにはならなかったと思います。
女子聖学院に勤めた10年間でたくさんの志望理由書のお手伝いをし、学校での活動や人柄をよく知っている生徒をサポートすることで、予備校でのそれ以上のやりがいがありました。

この経験を活かせるはずの久米島では、先行してこの仕事をしていた公営塾からやり方が違うからとやんわり距離を取るようにお願いされ、初めは少しがっかりしました。が、高校に籍を置くようになってから、公営塾に行けない生徒からの個別のお願いがあり、お手伝いさせてもらうことができました。

興南に来てからは、進路指導部所属でありながら、ずっと中学校所属のため、志望理由書に関わるチャンスがありませんでした。が、今年ついに高校3年生の表現を中心とした授業を担当させていただくことになり、チャンス到来。しかも、ほぼ100%が推薦で大学進学するクラスだったので、4月から「伝える」練習をし、夏休み前から本格的に志望理由書と自己アピール文の作成を練習しました。だから当然生徒たちは、私に志望理由書のお手伝いを頼んできました。

興南の進路指導部は大変すばらしく、志望理由書や面接対策の指導が一部の教員の負担にならないように、生徒たちから希望を取って高校全教員に振り分けており、それに申し込まない生徒たちを個別に指導するのは良くないことで、何度も「断ってください」と注意されました。

が、上記のような授業を担当していることもありまた、私はこの仕事がしたくてたまらないので、次々引き受けてしまったというわけです。数名を除いてこのクラスの志望理由書はほとんど手伝ってしまいました。
スポーツでの実績があるこのクラスの生徒たちの志望理由書は、書きながらこちらが感動したり、勉強になったり、とても楽しいものでした。

・・・つづく

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