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第339号『では今からワタシを楽しませて下さい』

キルアがユピーの前に現れて放ったセリフでこんなのがありましたね。

「悪いけど、これからアンタにすること全部ただの八つ当たりだから」

そう言い放った直後にキルアは『神速カンムル』から派生させた新技『電光石火』と『疾風迅雷』をユピーに喰らわせました。

このシーンを初めて読んだ時に私は「なんだろう、なんか、わかる」とキルアの気持ちを察して理解しました。

それくらい、なんか生きてると、いや、生きてるだけで何かに感情をぶつけたいというか、八つ当たりしたくなる気持ちって生まれてくるもんだって思ったんです。

みんな誰だって日々を一生懸命に生きていて、そんだけ必死に何かをやってれば躓くことも嫌な思いをすることもある、っていうのは理解できます。

だからこそ、該当のキルアのこのシーンを読んだ時は共感しましたし、心の中でも「その気持ち、なんかわかる」とも思いました。

けどね、それはやっぱり漫画の中の話であって、現実とはこれまた違う話なんだと思うんです。

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少し前の話かもしれませんが、過去にこんな話を聞いたことがあります。

企業の採用面接の話です。

企業の採用面接に臨んだ学生さんがご自身のPRの際に「私は人を楽しませることが大好きなんです」というようなことを発言されたようです。

実はこれ、エンターテインメント系の企業では実はよく目にする光景だったりもします。(当然ながらゲーム業界含む、というか、とあるゲーム企業で聞いたことがある話です)

そんな学生さんに対してその企業の面接官はこう告げたらしいです。

「ほう、人を楽しませることがお好きなんですか、では今からワタシを楽しませてください」

もう、端的に、ハッキリと言葉にしますが、私は面接におけるこの手のエピソードが大嫌いです。正式に激しく嫌悪します。

学生に対してイキっている面接官が大嫌いです。

完全にマウントを取りにいっている面接官のその姿が吐き気をもよおすほど大嫌いですね。

こういったエピソードを語る人間の「でね、それ言ったらその学生、結局アワアワして何にも出来ないのよ」とニヤニヤしながら悪意のある笑みを浮かべるその醜悪な姿の大人が大嫌いなのです。

心底嫌いです。

あ、そうです、今回はこういった『心の底から大嫌い』という話です。

いや、別に、だからキルアのセリフ「ただの八つ当たり」を引用したわけでは無いですよ?

単純に「こーゆーのは好かん!」と言いたいだけの回です。

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別に具体的に何かがあったわけでは無いですよ。

あらかじめ言っておかないとすぐね、関係者から「松山さん、今度は何があったんですか?note見ましたよ、吠えてましたねー、絶対なんかあったでしょ?聞きますよ、聞かせてください、どうぞ、ほら」みたいなことを言われてしまうので。

というか、そんなことを言ってくる人も嫌いです。

はい、今回は『これは好かん』ということをハッキリと語る回です。

特に理由はありません。語りたくなったので語ります。そんな夜だと思ってください。他意は全くありませんのでご安心ください。

「別に嫌いな話は聞きたくない」という人はここで引き返しましょう。

たぶん、このあとそこそこの熱量で語ってしまうことになると思われますので、どうかご注意ください。

それでは、特に張り切らずにいきましょう。

自分ではどうすることも出来ない化物語

だいたいの場面で阿良々木くんが感情をあらわにしたり激昂したりするような場面で忍野は決まってこう返していました。

「はっはー、元気だねぇ、阿良々木君、何かいいことでもあったのかい?」

小説『化物語』の恒例の一幕です。

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