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エレガント!ベリーエレガント!

アニメ「SPY×FAMILY」MISSION:27
作画監督と原画を新卒採用入社組が担当

アニメ制作を行っているクローバーワークスの公式からもアナウンスが出されていますが、先日放送&配信された第27話は新卒採用入社組の1期生から4期生のみで制作されたことが話題になっています。

私も第27話を観ながら「ボンド(犬)とダミアン(アーニャの同級生)のエピソードということはいわゆる幕間回かー、けどやっぱりいい話だなぁ」くらいの感覚で普通に視聴していましたが、まさかそんな制作会社の裏ミッションがあったなんて思いもしませんでした。

というか、抜群に上手かったですよ。

もちろんアニメ制作というのは原画監督と原画&動画担当だけで制作が成り立つわけでは決してありませんし、(監督や仕上げをはじめとした)多くの先輩方の援助があって完成していることはわかっています。

それにしても、こうやって新人をしっかりと計画的に育成して本番環境で実践と実績を積むことが出来る場を用意出来ていることが素晴らしく、実にエレガントだと思います。

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指導担当である先輩アニメーター岡さんのコメントにもあるように、1期生の方が作画監督を務められたようなので実質3年目のスタッフということになります。

とはいえ、3年ほどの修業期間を経てこうして大きな舞台で活躍できることが本当に素晴らしい。

アニメ業界でこうやって新人育成を計画的に行って、ちゃんと舞台とチャンスを与えられているというその姿勢が実にベリーエレガントです。

また、事前に(放送前に)告知せずに普通に放送&配信を行ったうえで「実は新人だけで制作していました」とアナウンスを出すところもにくいです。

「SPY×FAMILY」ほど大きな作品の中でしっかりと視聴者にいつも通り受け入れてもらったことをわかった上でアナウンスすることで、制作を担当した当事者たち(&視聴者)を含めた誰もを傷つけることが無い正しい告知順番だったと思います。

まるで(誰も傷つけない)「SPY×FAMILY」という作品性をしっかりと理解した上での行動に敬意を表します。

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こりゃゲーム業界も本当にうかうかしてられませんね。

と、言う流れから今回はスムーズに『ゲーム業界における新人育成』の話をしていきたいと思います。

ゲームもアニメも漫画も映画も、なんならテレビ業界も含めたエンターテインメント業界全体が抱えている長年の悩みでもある新人育成について。

ちょっとみんなが耳が痛いと思うような話も含めてやっていきますね。

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ゲーム業界における新人育成

まず最初にお伝えしておきたいのが、新人育成に対する考え方や姿勢は各業界それぞれの会社によって本当にバラバラです。

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