見出し画像

クリスマス番外編〜姉と弟、人形劇を見る

みなさんこんばんは。再びぴーたんです!先日は初投稿のnoteを見ていただきありがとうございました。意外にも反応があって嬉しい限りです。

さて、本日の投稿ですが、クリスマスにまつわるエピソードを記憶が忘れないうちにつらつらと話して行きたいと思いますね笑 

弟との久々のお出かけ!

「〇〇(私の名前)行く」。

彼のその言葉で久々の2人だけの時間を過ごすことが決定いたしました☺️今回の目的は、「人形劇観賞」でした。地元での開催ということで移動距離も程よく、多くの方の訓練により彼の鑑賞マナーも非常に良くなってきたこともあったので私も「うわ〜20歳近いでかい二人組がぁ」という気持ちと「大好きな弟の希望なら」という入り混じった面持ちで承諾しました。本人も当日までとても興奮しており、何度も予定確認するくらいしつこかったのです笑

おそらく障害児の行動援護や付き添いというのは心身共にパワーを使うものですよね。例え家族でのお出かけだとしてもいざ当日になると何があるかわからない、そんなハラハラ感もありますよね。私もだいぶ慣れてきてので、親からも安心されるくらいになりました(ちょっとドヤっ)

あ、話がそれてしまいました(汗)気を取り直して!

そしていよいよ当日を迎えるわけですが…鑑賞後私のメンタルはボロボロになっていたのです。その理由について具体的にお話します。

私の平和ボケと社会の現実

コロナの状況下であることから、弟と私だけでの本格的なお出かけが久々でした。例年なら映画鑑賞やちょっとした買い物など趣味的な活動を行っていたのですが、残念ながらその機会が少なかったです。(全くなかったというと誤解になるのですが、施設への送迎や実習先への送迎、お使い程度は定期的に行っています。)そこで私は一種の平和ボケをしていました。

「ここは、弟と私たち家族に優しい場所なんだ〜」

実際そうですよね。障害を抱える人たちを支援する場所や機関ですから笑    しかし、私の中ではその優しい世界がつい最近まで当たり前になっていました。また、大学においても社会福祉に関する勉強が多いのと、専攻している学生も福祉に興味がある人が多いため差別的な視点を持つ生徒はいませんし、教授も支援している側の人間です。このように私にとっては、温かい世界に浸っていたのです。実際に支えてくださる方がいる、将来にむけて何ができるかを考えている素敵な学生と先生がいる。本当に温もりを感じますよね。

ですが、これはごく一部の世界。

今回の観劇で一気に現実に引き戻されました。今回の人形劇の対象はもちろん”幼児〜小学校低学年”。弟の実年齢(高3)で言うと完全なる対象外です。それは、あたり前ですよね。ですが、彼の心は対象者の子供たちと同じ要素もあります。だから彼は行きたいと言ったのです。なんだか、限定されているようで疎外感マックスですね。さらに、入場時の検温。検温カメラだったのですが、高さが幼児向けであったため私たちきょうだいは、まあ苦労しますね。画面に入るように調整し、屈んだり、後ろに下がったり…他の方をお待たせしてしまいました。ちょっとむかっときたのは後ろで待っていたお子さんに画面が反応したので、係員さんが

「後ろの方どうぞ〜」と。うん。ですよね。ごめんなさい。でかい子供で。(2人とも未成年ですよ笑)

せめて配慮してよ。こちらの一方的なわがままですが。

決定的な打撃。

さあ検温が終わりました。ここからが、本題。入場者限定グッズをもらうこと。これが簡単にはもらえないんですね。この日の特典は、リストバンドでした。弟の楽しみの1つでした。ですが、これにもまた対象があるんですね。

”小学生以下のお子様限定”

この情報は既に了解していたので母と相談して、弟のために係員さんにお願いしてもらうようにとのことで実行することになりました。とりあえず、まずは何も言わずに「グッズいただけますか?」とお願いしました。姉の私としては、なるべく”障害者”と言うワードを出したくなかったですし、入場の時点で彼の行動に少し違和感を感じてくれたのではと思っていたのであえて言いませんでした。(この気持ち分かりますかね)しかし、帰ってきた返事は、

「すいません。小学生以下のお子様のみなので…」

「え?心は彼らと同じ部分もあるんですけど?!」と思ってしまいました。確かに、案内文を見ると係員さんの答えは正解ですが……う〜んもどかしい。

彼の願いを果たすために私は、切り札を使わざるを得ませんでした涙

「あの。彼、障害者なんです。なんとか1ついただけないですかね。」

この言葉は、私が発したにもかかわらずとてもショッキングな瞬間でした。彼が障害を抱えていることに対してある場面では、私の強みにもなります。その分野に対して同世代の人よりは知識と経験が多いと自負できます。ですが、その一方で障害であることをわざわざ示さないといけない場面があることがおかしいと感じる時もあるのです。なんか矛盾しているような気もしますが。その時は周囲の人間が憎らしく、目で殺してやる!そんな面持ちでした。

そして、係員さんからいただくことができましたが相手の顔は曇った表情。マスク越しでもわかる雰囲気でした。お金を払ってきたのに客であるこちらが不愉快になるのかどうなのでしょうか。本編は、年頃の私からすると”ふつー”でしたが彼が真剣に見ている姿を横目で見られたのが一番愛おしく感じる瞬間でした。

ちなみに席は前列どセンターで、とても恥ずかしかったです笑 そして帰ってからはこれらのこともあり、私がボロ泣きでした笑笑

この話から私なりに伝えたいこと

私がこのエピソードからお伝えしたいことは2つあります。1つ目は、ノーマライゼーションだとかバリアフリーと言われる昨今、あらゆる環境下においてもっと社会的な配慮をしてほしいなと強く訴えたいです。今回の場合、対象者は幼児〜低学年とされていましたが、実際弟のように可愛いものが好きな人は多くいらっしゃると思います。「おかあさんといっしょ」「いないないばあ」などEテレ系列が好きな障害者もいます。それも年齢問わず。説明すること自体難しいことですが、どんな人であっても参加したいと感じた時に参加できる環境、そして配慮があっても良いのではないでしょうか。

2つ目、社会の視線はまだまだ冷たいなと言うことです。中にはとても優しく対応してくださる方や話を聞いてくださる方もいると思います。しかし、私が今まで出会った福祉との関わりがあまりないと思われる方の中ではあまりいませんでした。私が弟や障害にまつわる話を切り出すと、冷めたような目や一歩距離を置かれたような視線。ひどい時には、きょうだい仲良く悪口を言われたこともありました。この事実は私だけでなく、弟を傷つけていることを彼らは知らないでしょう。ですが、彼は知っています。ただ主張ができないだけのことです。もう少し温かい目線がほしいなとか、優しい心持で話を聞いてほしいと思うことが今でもあります。

介護者も第二の当事者です。どうか、このnoteに目を通してくださった方だけでも知っていただけると嬉しいです。

近い将来、心が温まるクリスマスを送れる日がきますように。

Merry Christmas and Happy New Year!

画像1

#自閉症 ,#きょうだい,#知的障害,#クリスマス,#社会的配慮,#ノーマライゼーション,#バリアフリー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?