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カメラ講座と写真文化。私写真史とともに

2018年8月からニコニコ動画に投稿している初心者向けカメラ講座の動画のPart3が少しづつ形になってきている。Part3に関しては制作を始めてから一年をとうに過ぎ、Part2からのブランクは1年と3ヶ月を超えた。

これだけの期間を過ぎれば、かつての視聴者は離れ、再生数が伸び悩むのは目に見えている。そもそも累計してもニコニコクリエイター奨励プログラムでは1000ポイント程度しか獲得できておらず、シンプルに作れば作るほどコストのかかる趣味である。

それでも、編集を再開し次を投稿とするのはなぜなのかを自分なりにまとめ、自分のための備忘として残そうと思い立ったため、滅多に書かないnoteのエディターの仕様変更にビビりつつ、キーボードを叩く。

そもそもなぜカメラ講座なる動画を作ろうと思ったのか

これはシンプルな動機で「もっと上手な写真が世の中に溢れて欲しい」

だいぶ言い方に難があるように感じられる。

噛み砕いて言えば、インターネットの海を漂う無限の写真たちが、もっと綺麗なものになり、窓を介した自らの世界がもっと豊かなものになって欲しいという、自らの欲望を満たすべく、自分の持つ写真術に関する知識を放出していこうと考えたのである。

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なぜ写真を見たいのか

インターネットの普及、スマートフォンの普及、SNSの社会的重要度の上昇。すごく最近の出来事ではないが、写真の歴史の中では最近の出来事が、写真文化を非常に面白く複雑な世界に変えた。

特にスマートフォンのカメラというものの存在がかなり特異なものに感じられる。スマホは現代に生きる人のほとんどが常に身に付け、生活に密着したモノとして世界中に存在している。そのスマホに搭載されたカメラは、圧倒的なフットワークの軽さによって、あらゆるカメラというモノの役割を奪い取ってしまった。

そのカメラが見る世界は、生活であったり、絶景であったり、今日のランチであったり、お店の張り紙だったり。スマホのカメラの見る世界=人間の見る世界になる日はそう遠くないだろう。スマホというモノが次の何かに役割を奪われる可能性も高いが、その時はその何かが人間の見る世界の全てを見るだろう。

同時にインターネット上に漂う世界の切れ端も増えていく。スマホを介してデータ化された写真は、インターネット上に、SNS上に、Twitterのタイムラインへと放流される。

TLに流れてくる写真のほとんどは、絶対に自分が目にすることのできない世界。その場所のその瞬間の世界というものは二度存在しない。それを、小さな小さな窓越しに覗くことができる。これは喜びであり、現代に生きる人の特権だと思う。

私はそんな喜びを、さらに心地の良いものしたいと考えている。

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カメラ講座の存在意義

写真というものは、カメラを向け、シャッターを押せば(あるいは画面右側の○に触れれば)撮れる。全て自動化されたプロセスによって、人はただ少しの動作で写真を得ることが出来る。

得られたものは利便性、スピード、数知れない。

失われたものは、写真術。あるいは創造性なのか。

批判的立場をとっている訳では決してない。私とてラーメンの写真をよくスマホで撮る。その写真はクラウドに安全に自動保存され、いつでも見ることも、一年後に去年の今日のラーメンを見せてもらうことだってできる。これはとてもラーメンなことである。

写真術という概念の内包するものは様々だが、現代のデジタルカメラに限定して考えれば、露出などの入力の制御、ライティング、構図、現像技術などになる。カメラの固定方法やレンズ知識もあるし、枚挙し出せばキリがない。

簡単とは言い難い写真術の世界だが、全く恵まれたことに、入門の敷居はとてつもなく低い。スマホで撮るもよし、一眼レフカメラだってオートモードで綺麗に撮れる。そこから少しづつでも知識をつけていけば、撮影者の想いをさらに反映できるようになってくる。それは表現力に繋がり、創造性を豊かにしてくれる。自分が思った通りに撮れるというのは結構気持ちの良いものである。

カメラ講座の存在意義(2)

ニコニコ動画は衰退したと言われている。実際衰退していると感じる。

しかし、ある意味では形を変えただけなのかも知れない。

動画制作の敷居もかなり低くなった。私が使用している「ゆっくりMovieMaker」は現在のバージョン4のα版が開発進行していて、もはやこのツール単体で動画を作れる域に達している。(素晴らしいツールです。僅かながら支援しております。)

触ったことはないが、スマホの動画編集アプリもかなり進化しているらしい。映像の仕事では最近は「DaVinci Resolve」を使用しているが、これも無料版でかなりのパワー、無限の可能性を持っている。「Windows Movie Maker」は死んでしまったが、「iMovie」モバイル版、Mac版共に評判はいい。

そんな中、ニコニコ動画は誰でも好きな動画を投稿できる場所であり、視聴者との距離も近く、動画を通じたコミュニケーションという意味では唯一無二の世界を持つプラットフォームとして、やはり常に新規動画投稿者が誕生し続けている。

Youtubeの方がマネタイズでき、画質も良く、回線速度も早いためロード地獄にならずということで、移行する投稿者も多いが、Youtubeは発信するプラットフォームという性質が強く、完全一方向ではないものの、相互コミュニケーションは生まれにくい。

一方でニコニコ動画は、その特徴である画面上を流れてくユーザーコメントの存在により、視聴者同士のコミュニケーションや、視聴者と投稿者のコミュニケーションが活発になりやすい。

例えば旅行を題材にした動画では、映った風景に対し、その場所の情報や、見知らぬ誰かの訪れた記憶などが書き込まれたりする。そしてそんなコメントは、コメントを非表示にしていない限りは動画と共に視界に入り込み、動画の世界を拡張する。

コミュニケーションによってどんどんと世界が拡張されていくということの面白さは、ニコニコ動画を利用する人の中には共感いただける人もいると思う。

そんな面白さを持つニコニコ動画だからこそ、少しづつでも写真や映像の撮影技術の底上げをできれば、コミュニケーションはさらに濃密に、高品質になっていくのではないか、という考えと個人的欲求が、ボイスロイドを用いた講座という形によって顕現しているということだ。

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ところで、人に教えるほどの技術持ってるの?

言いたいことは上の見出しまでで大体書き終えた。最後にはカメラ講座とかやってるこのPiTaPoとかいうふざけた名前の人格が、講座とかやって価値があるのかという問題点について、自分の写真に関する略歴を書き連ねる。ここから先の文章が一番無価値であるので、ここで、いいねを押して、次の旅に出られることを推奨する。

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カメラというものを初めて触った時のことはよく覚えている。親のカメラ付き携帯電話だ。まだ小さかったそのころはフイルムのカメラは触らせてはもらえないので、機種変更の時に使い終わった携帯をもらったのが初めての自分のカメラということになる。推測ではあるが当時8歳程度だろう。

撮っていたものは動画だった。録画を一時停止して、場所を変えて再開することで、瞬間移動のような動画を作るという遊びを5歳下の弟としていた。

そのほかにはダイヤブロックで作ったものの写真などを撮っていたと思う。その頃のデータが残っていないのがとても残念である。

時は過ぎ、高校生。初めて自分の携帯を買ってもらった。機種はApple iPhone 4S。この時、私の写真の世界はかなり開かれたと思う。簡単に綺麗に撮れるカメラと、世界レベルの写真もどんな場所の写真も手の中に見れるSNSの世界。新しい時代の幕開けであった。

縺・蜀咏悄 2012-03-03 蜊亥セ・ 05 21


高校時代はそのiPhoneで夢中で写真を撮っていた。今も割とそうだが、空の写真がやたら多かった。最終的にはiPhoneのカメラよりもさらに長いレンズや、動画機能が欲しくなり、FUJIFILM FinePix F900EXRを購入した。

ほかには軽音楽部に入ったり、マインクラフトを買ったりした。これも関係する出来事。ニコニコ動画は、中学生の頃から見ていた。アカウントはββ。当時から初音ミクが好きだ。

大学進学は、3DCGやモーショングラフィックスを勉強したいと思っていたため、美術系大学の映像を専攻する学科に進学した。

入学直後、ホテルのフォトスタジオのアルバイトを始めた。高校時代からGIMPやAviUtlを使っていたため、フォトショップなどのクリエィティブツールをを使った作業をするアルバイトをしたいと思って探していたら、運よく出会ったのである。

そのバイトの勤務地が、メインの場所から少し離れたホテルに変わり、そこに同じくその年に勤務し始めた20ほど年上のカメラマンと出会った。それからあまり日が経たないうちに、そのカメラマンの私物のEOS 20Dを借りて、披露宴のスナップ撮影にサブカメラマンとして入らせてもらった。

それから2ヶ月くらい後だったかに、カメラのナニワで中古のEOS 7DとEF-S 18-55mm f3.5-5.6 USMというレンズを買い、大学の制作や、婚礼のサブカメラマンのバイト、そして好きなものを撮るのに使った。ボディとレンズで6万円くらいだっただろうか。最初はそれくらいでカメラ沼に入れてしまうのである。

それから、大学3年の初夏の頃。広告系の写真を撮っている会社のアルバイト求人を見かけ、応募。あっさりと採用され、スタジオアシスタントや、動画系の仕事をさせてもらった。

4年生になり、周りが着々と就職活動を始めていた。

正直、「就活」というものに気持ち悪さを覚え、あまりやる気も出ず、手始めに自分個人のWebサイトを作った。映像作品のReelはすでに授業で作っていたので、撮った写真やそれまでに作った作品の概要などをまとめたサイトだ。あまり役には経たなかった。

それから、作品選考でスタジオアシスタントの募集をしている大手広告制作会社の存在を知り、応募。あっさりと合格したので、大手ということもありそこに就職。

長時間労働とパワハラに嫌気を感じたのと、そこでカメラマンになるビジョンが見えなかったことで精神的にキツくなり、3ヶ月で退職。短い間でも良い経験ができたし、違う視点も得ることができたので入ったことも辞めたことも後悔はしていない。

それから、先述のバイトをしていた広告の会社に雇ってもらい、プロカメラマンとして撮影業務、映像制作などをしているのが現在。

結論としては、カメラ講座動画は開始当初はハイアマ視点だったものの、現在はプロ視点でお送りしている。


映像や写真のお仕事お待ちしております。


それと下のボタンを押すと、次回動画の更新が少し早くなります。

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