第二弾は今回のオフでも最も注目となった1つのポートランド・トレイルブレイザーズ。デイミアン・リラードがトレード要求をしてなかなかトレード市場が停滞したが、大型の盤面上WIN-WIN-WINトレードとなった。
そしてブレイザーズは今季は再建モードと言えるが、それが最短で済みそうな布陣となったので、ここについて書いてみようと思います。

１．補強について

1-1．トレード補強

ディアンドレ・エイトン（PHX・MILとの3チーム間トレード、PHXより）
⇒今オフ最大のビッグディールと言って、差し支えないデイムを絡めたトレードでPORへ移籍。ポテンシャルは現在の若手ビッグマンの中でもトップクラス。ヌルキッチはトレードの足枷になる事が予想されたが、ビッグネームを3人集めたPHXにとってロールプレイヤーを複数揃える意味で、決して能力が低い訳ではないヌルキッチがハマったのは何より。
PORにとっては念願のオールスターポテンシャルのビッグマンの加入で、今後に期待できるトレードとなった。

マルコム・ブログドン（前述の3チーム間トレードで得たドリュー・ホリデーを更にトレード、BOSより）
⇒3チーム間トレードでPORが獲得したホリデーを再トレードして、獲得した形。のちに書くルーキー、スクート・ヘンダーソンを育てる意味でも、単純な実力としてもいい補強となった。

ロバート・ウィリアムスⅢ世（前述の3チーム間トレードで得たドリュー・ホリデーを更にトレード、BOSより）
⇒ホリデーとのトレードでブログドンと共に獲得した守備型ビッグマン。
ブログドンと共に負傷がちな懸念はあるが、課題だったビッグマンが一気に解消され、むしろストロングポイントに。
局面ではツービッグも行けるかも。

トゥマニ・カマラ（PHX・MILとの3チーム間トレード、PHXより）
⇒3チーム間トレードの中でPHXから獲得した、今ドラフトの２巡目52位の選手。PFは決して層は厚くないので、うまくハマれば想定以上の拾い物となる可能性も。

1-2．ＦＡ補強

モーゼス・ブラウン（ブルックリン・ネッツより）
⇒エイトンやRWⅢがまだ確定前だったので控えビッグマンとして有用になるかと考えられてたが、二人の獲得で技術不足が露呈。
とは言え3番手であれば、育成しつつ成長も見込めるので悪い獲得ではない。

1-3．ドラフト獲得

スクート・ヘンダーソン（ドラフト１巡目３位）
⇒ウェンビーが居なければ、今ドラフトの１位候補。
２位を獲ったCHAにラメロ・ボールが居たこともあって、Fのブランドン・ミラーを獲得。３位にしてスクートを獲れた。
彼がいる事でデイムも出しやすくなり、再建に動きやすくなったと言えた。
1年目から使うか、ブログドンと使い分けるかはわからないが、しっかりPTを与えて経験値を高める方がいいとは思う。

クリス・マレー（１巡目23位）
⇒この順位でフォワードを狙った中では妥当な選択だったと思う。
言わずと知れた、SACのキーガン・マレーの双子の兄弟でほぼスタイルは同じ。明確な違いは彼がサウスポーという事。
Juniorだが年齢は高く、伸びしろよりも即戦力的な側面が強そう。
ウイングの厚みを作り、貴重な左利きシューターとしていい活躍が予想される。

ライアン・ルペア（２巡目43位）
⇒２巡目獲得ではあるが、モックドラフトでは１巡目予想も多かった有望株。豊作年の今ドラフトの中で実質１巡目３名分は獲れたと言える。
SGはサイモンズ・シャープと厚いが、成長次第では彼らより使い勝手のいい選手となりそう。

1-4．放出組

デイミアン・リラード（⇒MIL）
ユースフ・ヌルキッチ（⇒PHX）
キーオン・ジョンソン（⇒PHX）
キャム・レディッシュ（FAでLALと契約）
ドリュー・ユーバンクス（FAでPHXと契約）
トレントン・ワトフォード（ウェイブ⇒BKNと契約）
⇒デイムについては深く言及はしないが、トレード要求するなど、モチベーションが下がってる中に、最大級選手・指名権を確認する為のトレードアセットとなり、大きな問題はなし。
他の選手についても一部、残して置きたい選手も居ただろうが、それぞれグレードアップするなど、しっかりと獲得出来てるので大きな問題なし。
唯一解せないのは、昨季サマーリーグのMVPにして、PORの未来を支えると思われていたワトフォードの解雇。グラントの延長もあっての事かとは思うが、何か争いがあったのか謎な動きではあった。

1-5．補強感想と採点

デイムを出す方向になった中で、焦らず獲得をしたと思う。
実質、エイトン＋RW3 ＋ブログドン＋カマラ＋複数指名権。ここに既存の選手と絡めたドラフトの選手もいい感じなので、すぐにプレーオフ争いは出来ないだろうが、かなりクオリティは高いオフになったと思う。

採点：98点

ほぼ前に書いた通り。マイナス2点はファンにも影響が少なからずありそうなワトフォードの件くらい。クローニンGMの手腕の高さを見せつけたオフだと思う。

２．ローテーション予想

TIER１（スターター濃厚）

アンファニー・サイモンズ
⇒トレードの噂も立ったりしたが、今のロスター枠では彼がガード陣の中でのファーストチョイスだろうなと思う。
シーズン通して、彼の立ち位置がどのようになるかは今後のブレイザーズの進展に繋がっていくかな。
ディアンドレ・エイトン
⇒今季のビッグディールで獲った稀代のビッグマンはやはりスターター当確。PHX時代よりもより自由を与えられるだろう。
ジェラミ・グラント
⇒SFでもPFでも行けるだろうが、チームのロスターバランスを考えれば彼がPF。チームの内情を考えると、スコアリング面ではサードチョイスになるかな。サラリーは過大評価印象だが、チームとして一番いい働きをしそうと考えるのは僕だけか。
スクート・ヘンダーソン
⇒SFの布陣と、将来を考えればサイモンズをPGに置くより、彼をPGに置くのがやはりいいのかなと思う。細かい説明は前にしたから割愛。

TIER２（ローテーション入り濃厚）

シェイドン・シャープ
⇒チーム内でのポテンシャルはスクート同様に天井知らず。
彼がSFになる可能性が高いが、勝ちに行くのかスクートをスターターにするのかなど、色んな要素が彼の起用法を左右しそうな気がする。
マルコム・ブログドン
⇒何も言う事がない。そのくらいチームとして成立させるなら彼はローテから外せない。
マティス・サイブル
⇒移籍後、３P が武器になり、本格的な３&Dに。
状況次第ではスターターも。
まず彼はローテに入りそう。
ロバート・ウィリアムスⅢ世
⇒怪我に支障なければ、エイトンを休ませるうえでも外せない。
セカンドの守備の軸。彼がいるからサイブルをスターターも考える。

TIER３（ローテーション当落線上）

クリス・マレー
⇒再建の中で9人ローテがベースになるなら入ってきそう。

ライアン・ルペア
⇒サイブルあたりが不調になれば入ってきそう。
はっきりガベージキャラではないかな。

TIER４（当面はベンチ要員）

ジャバリ・ウォーカー
⇒マレーとどっちが優先されるか正直わからなくて。
状況次第ではむしろ彼がローテ入りか。

トゥマニ・カマラ
⇒ポテンシャル枠だけにここであることは致し方無いか。

モーゼス・ブラウン
⇒前に書いた通り。ローテ入りは難しいか

３．上に上がる為の課題

３-１．ケミストリーの構築

新選手が増えて、どういうチームとして構築するかが大きなカギ。
後の項にもつながる。

３-２．チョウンシー・ビラップスHC

昨季酷評されてた彼がメンバーの入れ替えでいいチーム作りを出来るのか。

３-３．残り2枠で控えPGとウイングの補強

後者は再契約濃厚だと思われていたが未だ未契約のジャスティス・ウィンズローが入れば理想的。サイズがあればいいに越した事はないが、能力で補えるなら2m前後あればいい。
後は第3チョイスとなるPG、サイモンズがPGの可能性もあるだろうけど、ここは欲しいところか。
残り2枠どうするか。

４．個人的選考キーパーソン３名

4-1．ディアンドレ・エイトン

自由が与えられて、どう爆発するかが楽しみ。
いい意味でリミッターを外して欲しいです。

4-2．シェイドン・シャープ

昨季はポテンシャルの一端を見せたが、今季彼の爆発次第ではプレーイン争いも夢じゃないかな。
アベレージ20得点とか取れるようになるかな。

4-3．スクート・ヘンダーソン

彼が一年目からどのくらいのポテンシャルを発揮するかで、来季以降の可能性が大きく変化する。単純に成績より今後のチームの行く末を決めそうで要注目！

５．今季の目標

【プレーイン出場】

戦力的には悪くないが、まだまだ選手もチームも未成熟。
育てながらプレーインに行ければ上等かなと。