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正しいことを外野でノーリスクで言っているうちは、ただの外野のまま ー パフォーマンス発揮の土台となるスタンスを考える

2023年4月からAsobicaで人事・広報をしている望月です。それまでは6年弱メルカリという会社にいました。なぜメルカリを辞めてAsobicaに入社したのか?とよく聞かれるので、それは以下をご覧いただけると嬉しいです。

前回、バリュー・カルチャーが違えど会社の10Xを目指すのであれば、会社にこういう土台・スタンスがないと、そもそもバリューやカルチャーを体現したくてもできないよということについて書かせてもらいました。

今回は、パフォーマンス発揮の土台となるスタンスについてです。今まで過ごしてきた環境・価値観も人それぞれなので、今回書くことは絶対こういスタンスをもつべきというものではまったくありませんし、このスタンスをもってないとパフォーマンスが発揮できないというわけではありません。
ただ、少なからず僕はこういう考えをもって仕事をしてきたら、この世界が本当に多様で変化に富んでいることに気づき、日々新しいまだ見ぬ価値を見つけることができ、仕事に対して以前よりは少しはうまく付き合えてこれてるような気がします、という話です。

前回同様、そんなの当たり前じゃね?とか、誰かが言ってたやつやんみたいなこともありますが、誰か一人の役にでも立てるのであればそれが本望なので、つらつらと書いていきます。


正しいことを言うのが仕事ではない。正しい方向に導くのが仕事であり、それを期待されている

これは、生前にビズリーチ社長の多田さんから言われた言葉です。

当時、IPOを意識しはじめ、勤怠管理の徹底をしていくフェーズでした。ぼくは人事および労務を管掌しており、これは法令違反になるとか、そもそも根本は過重労働にならないようにマネージャーが業務をコントロールすることが重要であるとか、ポジションとアクションを取らない正しい発言をしていて、これにはなんの意味もないことに気づかせてくれました。

経営者はそんなの百も承知なのです。正しいことを言って、そうなんだ知らなかった、みたいなことは今までほとんどなかったです。

会社はやりたいことが無数にある中から、取捨選択し、フォーカスして事業を進めています。そこを理解し、ちゃんと自分のポジション・スタンスを取り、アクションとそのROIを示し意思決定を正しい方向に導く、ここまでやってはじめて正しい方向に導く下準備ができます。

こうすべきだよねなどと仮に正しかったとしても外野から自分がノーリスクで言っているうちは、ただの外野のままです。要は自分はこう思うけど経営が決めてくださいという、つまりは何も言ってないのと同じです。うんうん、そうだよねと思うかもしれませんが、これに近いスタンスや状態の人で世の中は溢れかえっているので、この正しい方向に導くということだけを常に意識することで、ぼくはビジネスマンとして飛躍を経験することになった気がしますし、誰しもがそうなる可能性を秘めていると思っています。

「当事者たれ」 

これについては、とても感銘を受けたある大学生のブログがあり、詳細はこのブログを読んでほしいです。(短くすぐ読めるのに、こんなにも心を動かさせるものはないです)
https://kyoto-soccer.com/katsumaki/

私達スタッフはファンでもサポートメンバーでもない。プレーヤーではなくとも、歴としたチームの一員だ。
「サポートしてるようで、支えられてるのは自分の方でした。」みたいなスタッフブログをよく目にする。
私はサポートに回った覚えなど全くない。
私がチームのメインだ。

当事者たれ

京都大学サッカー部 マネージャー勝本さんのブログより抜粋

スタートアップに身を寄せていると、「ミッション・ビジョンへの共感」というのはマストであり、採用面接でもよく問われているし、入社後も組織サーベイでも必ず聞かれる項目だと思います。

この共感というのも非常に大事ですが、パフォーマンスを発揮するにあたっては、個人的にはこれよりもう1歩踏み込んだ解釈が重要で、それはミッション・ビジョン達成に向けて自らがオーナーシップを持って日々仕事に取り組んでいるかどうか。これをこのブログの言葉を借りると、「当事者たれ」ということなんだと思います。

ちなみにメルカリはバックオフィスという言葉を意図的に使っていなかったです。なぜならコーポレートも会社のメインだという考えから。

好きだから上手くなるし、上手くなるから好きになる

まずはじめに、ビジョナル南さんの記事にある通り、働く20代は学業の世界に置き換えると、まだ小学1・2年生に過ぎないのです。

働くであろう60年間の期間のうち、20代で働く期間が全体の10%強であることをベースに考えて欲しいのですが、学生時代の16年間における10%強は約『2年』。つまり、キャリアにおける20代の期間を学生時代に置き換えると、学生時代の小学校1、2年生に過ごす期間のようなものなんです

Forbes JAPAN / Visional南壮一郎 「早く成功することに、何か意味はあるのか」より抜粋

小学2年生の頃の自分を振り返ると、いろんな友達と話したり遊んだりしながら、だんだんと自分の好きなものがなにか、自分の得意なものがなにか、というのがわかってくる時期でした。

ぼくの場合はそれがサッカーで、当時Jリーグが開幕したというのもあり、みんながやっていたというのもありますが、サッカーが好きという感情が常に先行していたかというと必ずしもそうではなく、やればやるほどどんどん上手くなっていく体感があり、勝てるようになり、そうするとサッカーをどんどん好きになり、そしてどんどん上手くなっていく、そんなサイクルだったような気がします。

仕事も一緒で、好きなことを探すというのは難しく、まずは上手くなること=できるようになるまでやり続ける、来た球を打ち返していくでいいような気がしてます。毎日無限に仕事をしていた時代もありましたし、元旦のお昼から出社するくらい仕事に時間投下していたこともあり、ゆえにこのまま人事でいいのか?と思うこともちょくちょくありました。(悩めるほど暇はなかったけどふと思うことはあった)

ただ、このときはこれが将来の良いキャリアにつながるのかなんてまったくわからなかったものの死にものぐるいで仕事して培ったハードスキルは、当時は気づかなかったが後に相対的に貴重なものになっていて、まわりやいろんな職種が青く見えていたが、本当にふんばってよかったと思えます。これがぼくにとって非常に大きな財産となっています。

(年始なのでおまけ)結果よりも過程に価値を見出していくことにこだわる

奇遇にもぼくの長男がサッカーを始めました。長男がとにかく日々楽しく健やかに過ごしてくれるとうれしい。ただただそれだけの気持ちだったのですが、ぼくにとって想定外の感覚が1つありました。それは、長男がサッカークラブに入り、親としてぼくははじめて長男を無意識のうちに「相対的な存在」として意識するようになったことです。

上手い上手くない、レギュラーになるならない、試合に勝つ負けるなど、そんなのどうでもいいはずなのに、他者と相対的に比較した結果がどうしても見えてきて、気持ちでは相対的な存在ではないと思いつつも、どうしても他者との比較を意識させられるようになりました。

それでも、今改めて感じることは、やはり子どもは相対的な存在ではなく、唯一の絶対的な存在であるということ。

長男がこれからサッカーにどう向き合っていくかわからないし、サッカーが上手くても下手でもこの世の中には楽しく素敵なことが他にもたくさんあり、きっと今の時代以上にもっと多様な考え方や生き方というのが長男が大人になる頃にはスタンダードになっているのではと思っています。

それでも、5歳の長男が今どうやったら強くボールを蹴れるのかを考え、試行錯誤しながら大きく足を振ってみたり、助走つけてみたり、左足の位置を細かく確認していたりと、考えることと反復で体で覚えることをうまく判別しながら、大小関係なしに成果が出るまでの過程を試行錯誤している経験値はきっと今後の長男の人生を彩る上で良い経験になるのではないかと思っています。

サッカークラブに入って本当に良かったと今のところは思っていて、それは自分の子どもが相対的にみてうまいとかを体感できたとかその結果に対してではなく、なにか一つの物事に真剣にそして本気で臨んだ経験や過程に対してです。

社会人になったり、今より年齢を重ねると、大小あれど結果や成果のみを問われることも増えていくし、本気で取り組むのは人の目を気にして恥ずかしくて本気になれないことのほうが多い気がします。それをふまえると少なくとも子どものうちは、結果よりも過程に価値を見出してあげられる親であり続けたいと強く思いました。

きっと会社でもそうなんだと思います。相対的な側面は絶対あると思いつつ、一人ひとりが絶対的な存在であるので、一人ひとりにしっかり向き合っていき人事として絶対評価していける、そんなことを会社全体で取り組んでいけるといいんだろうなと思っています。

成果アウトプットは目に見えやすいですが、だからそこだけを評価していくでいいのではないかということではなく、ファジーなテーマで難しいのは承知ですが、成果を出すためのプロセスや再現性、一人ひとりの日々のバリュー発揮行動をしっかり見てその側面も評価していく、抽象度が高くても逃げない、それがすごい重要な気がします。

Asobicaの評価報酬の狙いは、一人ひとりのパフォーマンス(バリューの実践とアウトプット)を多角的に捉え、明確な基準とプロセスにより多様な人材にとって公平で納得感の高いメリハリのある評価と報酬を実現するとともに、組織の健全性を維持向上することです。

さぁ今年も一年がんばっていきましょう!

まとまりのないnoteになってしまったかもですが、また気が向いたら書きたいと思います。よかったらAsobicaという会社・coorumというプロダクトにも興味もってもらえると嬉しいです。話ししたい、情報交換したい方はぜひXへのDMなど遠慮なくご連絡ください。

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