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旧十六日祭


内地とはちょっと違う文化に触れる機会が多かった年末年始。

たとえば、年越しそばは宮古そばでシメるとか(香川の年越しうどん的な?)。
お節料理の文化がないとか(栗きんとんだけ食べたくて自作した)(嫁的にはオードブルで済むのが超ありがたい)。
成人式は各家で大々的に祝い、呼ぶ人が多い家は外にテントとテーブルをセッティングして宴を催すとか(テント、近隣の学校とか会社から借りられるらしい)(ちなみに成人した本人は終日不在である)(本人不在の宴とは…?)。
そして旧正月もしっかりお祝いし、さてこれで年始の行事も一通り終わったか〜と安心したところ、不意打ちで飛び込んできた行事があった。

旧十六日祭。

個人店で「旧十六日祭なので営業時間が●時までです」と告知されていたり、夫の冬季バイト先が旧十六日祭だから〜と休みになったりと、少し前からちょこちょこ事前に耳にしていた名称ではあった。
祭りというからには冬祭りか何かかな?くらいのユルさで流していたところ、旧十六日祭の数日前に立ち寄ったマックスバリュで、認識を改めざるを得なかった。もう準備はお済みですか?と店のあちこちで買い物客にアピールしているのは、旧十六日祭と書かれた黄色いポップ。いわゆる「神様のお札」も店頭で山積みになっている。これ見たわー。盆の時に見たわー。ということは、盆並みの重要な行事…?

旧十六日祭。私の生まれ故郷の東北地方と、長らく住んだ東京では、耳にしたことのない行事だ。沖縄は旧暦ベースの行事が多い。これも名称通り、旧暦の十六日を指すと考えて良いだろう。
ここまでは私でも予想が付いたが、でも肝心の行事の内容がよく分からない。夫に聞いたところ、墓の掃除に駆り出される予定だけど、何の行事なのかよく分からない…という、まさかの私と同様の感想が返ってきた。地元民なのに頼りにならない(暴言)。

義母にも聞いてみた。先祖のお参りをする行事ということは漠然と分かった。もしかして旧十六日祭は向こうで言うお彼岸の事?とピンと来て聞いてみると、お彼岸は別でやるよ〜との返答であった。お彼岸とは別なのか。

よく分からないまま、この日に合わせて来島した叔父を囲む宴会に顔を出したり、家の仏壇を拝んだりして日が過ぎた。

とはいえ、島民としてはよく分からないままで終わらせるのもなあ…と思い、結局どんな行事だったのかと後日調べてみた。

https://oki-memorial.org/column/okinawavisitgrave160212
http://www.miyakomainichi.com/2019/02/117099/

旧十六日は「あの世(グソー)のお正月」とされているそうで、特に宮古島はじめ離島地域で広がっている行事とのこと。
正月に帰れない島外の人も、この日に合わせて戻ってくるほどで…ということは、下手したら正月よりも大事なのか。叔父夫婦がこの日に合わせて帰ってきたのもそういう事か(遅ればせながら気付く)。
あとみんなでお墓参りに行くって書いてるけど行ってない、ていうか未だにお墓の場所すら知らない…一応嫁としてこれはどうなのか…。

知らないことは事前に調べてちゃんとコミットしておこう、という反省を静かに噛み締めるしかなかった。移住歴一年目、来年はもう少しちゃんとしような。

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