ガムシロップとフレッシュはお付けしますか?

 秋がちらちらと顔を見せているが夏もまた負けじとこちらをガン見している。夏か秋か判断がつきづらいような気候がまるで自身のアイデンティティを確立できていないパッとしてない大学生のようで大好きだ。 
 ちょっと喫茶店に行こうと長袖を来てはあっついなと思いながら向かう様は滑稽であるがこの夏と秋の間にしか楽しめないと思うと不思議と楽しく感じる。

 大学生の夏は4回来たけども毎年の夏休みに何したかと言われると何もしてないなあと笑って答えてしまう。けどその当時の自分は考えて行動していたはずで楽しかったこともあったと思う。                    過去の記憶なんてほぼないけど嫌だったことが思いつかないならしょうもないけど楽しい過去だったと思う。

 滞ることにとても恐怖を感じることがある。何もしていない時間、何をしようと悩んでいる時間、一つのコミュニティに滞在している時間、これらの時間は自分がそこに固定されてしまうのではないかと思ってしまう。実際にそんなことはないはずなのに。いつからかそこに安心して居座り、そこの中で安寧の時を過ごすことに慣れてしまう自分が嫌いだ。

そんな自分でもすこし甘えれば楽になることを理解できればきっと人生がより楽しくなると思う。そして過去の事を覚えてないということにはならないと思う。

とても苦いと思ったコーヒーでも砂糖とフレッシュを入れればおいしく飲めるように、辛いと思う人生でもすこしだけ甘えることで楽しくなるはず。

人生にはガムシロップを入れて頂こう。






この記事が参加している募集

ほろ酔い文学

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?