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どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか

"彼らの価値観はブレず、その言葉は(中略)なお色あせない。理由は、二人が『どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか』と、その人生を『逆算』して捉えているから。"2011年発刊の本書は下ネタやダジャレの中に珠玉の言葉がキラリと光る、人生を楽しむ達人2人による対談集。

個人的には京都、大山崎山荘美術館開館25周年記念として開催されていた『みうらじゅん マイ遺品展』で、あらためてファンとして氏の凄さを実感し、また【自身の年齢、コロナ禍の心境に響くタイトル】に惹かれて手にとりました。

さて、そんな本書は2010年春、自宅でみうらじゅんとリリー・フランキーが深夜まで語り合った時の気持ち昂りを記録しておきたい。と【二人の強い要望から始まった】対談集で、『人生』にまつわること、『人間関係』にまつわること、『仕事』にまつわること。『生と死』にまつわること。の四章に、読者の悩み相談に答える『番外編』で構成されていて。2人のファンならおなじみの下ネタや雑ネタをゆるく散りばめながら【実はストイックなそれぞれの言葉】先のことばかり考えるのではなく【終わりから逆算して、今をベストに生きる】が響いてくるわけですが。

まあ、まず学生時代が終わって社会人になり、さらに歳を重ねてくると、意識しなければ【対人関係が疎遠になってくる】し、ちょっとした誤解やすれ違いから【絶縁してしまうこと】もよくあるわけですが(もちろん個人差はありますが)そういった意味で、5歳年齢差があって、また雑誌や番組などで何度も対談経験があっても、まだまだ【深夜まで語り尽くしたい】プライベートでも仲の良さそうな『2人の関係性』が何とも羨ましかった。

また、対談集ということで、話し上手な2人のトークイベントに参加しているような感覚ですらすらと読みすすめることが出来るわけですが。イメージ的には肩の力を抜いて、自然体でゆるく生きているようにも見える2人の人生経験の色々から紡ぎ出せれた言葉は【シンプルな説得力があって】いわゆる新興カルト教団めいたインフルエンサーによる自己啓発本が跳梁跋扈する中、流石にそれら有象無象と(当たり前に)一線を画す良書でした。

2人のファンはもちろん、コロナ禍で死を考えたり、日常生活に不安を抱えている方にもメンタルケア的にオススメ。

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