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海が走るエンドロール 1

"作る人と作らない人の境界線てなんだろう(中略)船を出すかどうか…だと私は思う その船が最初からクルーザーの人もイカダの人もいて それは年齢だったり環境だったりで変わるけど 誰でも船は出せる"2021年発刊の本書は、元映像を学ぶ学生だった作者によるシルバーガール×ブルーボーイ映画制作物語。

個人的には私自身が40も半ばを過ぎて映画制作に取り組むようになった事もあって、共感を最初から持って本書を手にとりました。

さて、そんな本書は映画好きの夫と死別した65歳のうみ子が、何年かぶりに訪れた映画館で客席の様子を見ていたことで、映像専攻の美大生、海と出会い"映画作りたい(こっち)側なんじゃないの?"と声をかけられたことで【新しい物語のために(これまでの)エンドロールが流れていく】つまり、映画を撮りたい自分に気づき、走り出すのですが。

映画制作を題材にした漫画だと、最近読んだのだと劇場アニメ化もされた『映画大好きポンポ』さんの狂気的なハイテンション、名言連発ぶりに大興奮したものですが。本書に関しては"海"をイメージにしていることや、女性作家ということもあるのでしょうか。比較して『穏やかな波』というか、繊細さがより魅力的で。【うみ子の奮闘に感情を寄せて】楽しませていただきました。

また作者自身が映像を学んでいたこともあるのでしょうか。【カット割から登場人物の表情までが映像的で】アニメ化はもちろん、いつでも実写化しても良い作品になりそうな印象で。その場合はうみ子役、海役を演じるなら配役は誰が良いかな?と妄想を膨らませていただきました。まだ第1巻、物語は始まったばかりですが、今から続きが楽しみです。

映像・映画好きはもちろん、中高年からのリスタート物語が好きな人にオススメ。

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