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起業のすすめ さよなら、サラリーマン

"起業家になる醍醐味とは何か?それは、自分の人生の『独裁者』になれることです。自分の責任で、自分で決断して、自分の大義のために生きることができる。"2021年発刊の本書は、NewsPicks創刊編集長が自らの起業準備をしながら書いた熱量溢れる一冊。

個人的には運営する法人の何年目かの決算作業を終えて、初の赤字決算を出してしまった事もあり、反省し初心に戻ろうという気持ちで手にとってみました。

さて、そんな本書はWEB経済メディア、ニュースサイト、いわば"意識の高い方々"が好きなNewsPicksの編集長として、数多くの国内外のIT起業家に取材してきた著者が、自らも2021年6月に『さよなら、サラリーマン』として退職し起業した経験をもとにして書いたもので。いかにも【編集者らしいわかりやすさ】で『起業家になるべき5つの理由』『起業にまつわる5つの誤解』『起業型キャリアの5つのタイプ』『起業を成功させる5つのステップ』とまとめた上で、明治維新に例えながら【起業家を目指す人がどんどん増えれば(政治家に頼らなくても)日本の未来は安泰】と結んでいるわけですが。

規模こそ全く比較にならないとは言え、著者と同じくサラリーマン時代を経て、中年期にプチ起業した自分としての読後感は【半分納得、半分不満】といった感じが正直なところで、サラリーマンを【退職するかどうかは別にして】社内に留まっていても【起業家精神はもつことは今の時代、大切】というのは、まさにその通りだと思うし、本書で紹介される著者がインタビューしてきた【有名IT起業家のエピソード】は確かにとても興味深いのですが。

著者自身は悪気はないだろうし、起業準備をしながら書いたということで、本書は創業時にありがちな熱量、高揚感ある文章はある種、清々しくもあるのですが。全体としては【誰でも起業できるし、しましょう!】と呼びかけつつ、手にとるであろう起業志願者の多くにとって『でも、著者みたいな何億集まるような起業は。。』と、かえって【ジレンマとハードルの高さ】を感じさせてしまうのでは?と思いました。(これも仕方ないですが、起業本としてはIT業界以外には触れていないのも気になりました)

NewsPiksファンはもちろん、プチ起業ではなく、上場はもちろん、将来的にはGAFAを超えるぞ!的なスケールの大きなIT起業家を目指している方にオススメ。

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