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京都ぼちぼち墓めぐり

"古都の重層的な歴史と人物に出会う『ハカマイラー』の旅は、緑豊かなロケーションも多く、散策としても心地よいひとときになるはず。先人が身近に感じられ、歴史への興味がさらに深まる墓めぐりに、ぼちぼち出かけてみよう。"2011年発刊の本書は、お墓めぐりから京都を眺めてみた一冊。

個人的には京都観光でお寺や神社を巡ってはいるも、そこにあるお墓についてはまったくよく知らないので、勉強の為に手にとりました。

さて、そんな本書は賛否はあるかもしれない、部外者による墓めぐり『ハカマイラー』の【マナーを注意喚起した上で】京都市内をエリアでわけて平敦盛、上田秋成、モルガンお雪、湯川秀樹、本阿弥光悦、与謝蕪村etcと、約30人のお墓は『写真解説付きで丁寧に』約60人は『解説のみ』で計90人のお墓を紹介しつつ、合間には【お墓豆知識、テーマ別探訪ルート】なども案内してくれているわけですが。

まず、これまではお寺の美術品や庭園鑑賞の『ついで』気分で何となくお墓を眺めていましたが(すいません)お墓を『メイン』にして、お寺や馴染みのあるまち全体を眺め直すというのは【なかなかに『コペルニクス的展開』】つまり見方が180度変わってしまうかの様な不思議な感覚で、そして、多くの歴史上の有名人のお墓の多さに、あらためて【古都・京都のレイヤー度の高さ】を思い知らされました。(特に天皇のお墓の変遷話は面白かった)

また、やはりお墓参りという行為は本来【身内や関係者が故人を偲ぶプライベートな場所】だと思いますが。それでも、誰もが不公平に生まれても、ある意味『死』だけは全ての人に平等に訪れる中、本書で取り上げられる誰もが知る偉人や有名人の最期をお墓参りから知ることは【一人一人の存在を大事にし、どう生きるか考える】実存主義的な気づきを与えてくれているのではないか。と思いました。

ちょっと変わった京都案内本として、また歴史好きな人にもオススメ。

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