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マリーアントワネットの日記 Rose

"最初の一行をなんて書こうか、せっかくだから超キメキメのパンチラインではじめたかったんだけど、どんなかんじがいいかと考えているうちに3日が経っていました。なので日付は元日になってるけど、これを書いているのは一月四日です"2018年発刊の本書は、ライトな文体なれど、意外にしっかりした良書。

個人的には、人前で美術史を話す機会がある為、フランス革命前後の雰囲気をわかりやすく伝える一冊として手にとってみました。

さて、そんな本書は全二巻の内の前半の一冊として、オーストリア王家のマリーアントワネットがフランスに政略結婚に向かう直後から、王妃となるまでを【マリアと名付けた日記に語りかける】一人称日記文学の形式をとっているのですが。まず頭のかたい方なら苦手かもしれない【現代風の絵文字やネットミーム溢れる文体】はやはり衝撃的で。というか冒頭の一ページ目から【だんじりが出現して】ワロタ。

一方で、注釈の多くが意図的にネットミームに当てられているのが楽しくも残念ですが。書かれている内容自体はマリーアントワネットの視線として【当時の形式化したブルボン朝の王家や貴族の様子がしっかりと描かれており】単なる受け狙いではない著者の【下調べの確かさが感じられて】感心しました。

フランス革命前後のフランスの雰囲気を【明るい読後感で】わかりやすく知りたい方や、悲劇の王妃マリーアントワネット好きな方にもオススメ。

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