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天使突抜367

"私は、まかせることにした。このどうしようもない状態の367も『きれい』になるのだろう。よくわからないけど、おもしろそうだ。私は『じゃあ、買います、ね』と言った。"2011年発刊の本書はマリンバ奏者にして、アンティーク着物コレクター、文筆家の通崎睦美とアーティスト仲間たちの京長屋リノベーション奮闘記。

個人的には、通崎睦美のエッセイストデビュー作『天使突抜一丁目』がとても面白かったので本書も手にとりました。

さて、そんな本書は自宅から歩いて三十秒のところ。向かいの路地奥『天使突抜一丁目367番地』に売りに出されていた『町屋』(もとい『長屋』)を、楽器や着物コレクションの倉庫として買うことにした著者が、できる限り自分たちで取り組みたい。と【解体作業から含めて素材集めまで丁寧に拘ってリノベーションしていった】日々が綴られているわけですが。

いつしか"なんちゃって場づくりの人"として、現在も古民家を最低限のDIYで再利用したフリーペーパー専門店を運営している立場としては、やはりアーティストだからでしょうか?通崎睦美と仲間たちの『素材へのこだわり』がリスペクトも含めて勉強になりました。

また、現在は新しく場所のリノベーションに関わる予定はありませんが。やはり業者に極力頼まず、完成度が素人レベルでも『仲間たちとDIYをしていく時間』は試行錯誤も含めて、とても楽しいもので。本書を読みながら、また機会があればやってみたい。そんな気持ちにさせてくれました。

京都、町屋(長屋)、あるいは空き家リノベーションに興味ある人にオススメ。

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