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親の仕送りなし東京一人暮らし大学院生活の実態(東京工業大学)


記事の目的

この記事では私が修士課程の2年間を親からの資金援助なくどうすごしたのか、そのリアルを公開します。家計が厳しい方の参考に、また、これから修士課程を過ごす方にとってなにかプラス情報になれば幸いです。

修士課程入学前

このパートは動機づけの部分なので読み飛ばして構わないです。

社会人1年目

私は地方の学部卒業した後、2年間のギャップがあります。この2年間で働いてお金をためたり、院試勉強したりしていました。この辺については別記事で社会人から学生に戻る流れについて話したいです。

私の家庭はひとり親家庭で、正直いってかなり貧乏でした。なので、学部在学中は院進なんて全く考えていませんでした。でも、そこそこ研究や勉強は好きだったので、院進に若干の心残りがありながらの就活でした。親と、大学院に行きたくなったら自分でお金を貯めていけばいいさ、という話もしていたので就職を決めました。

いざ就職して4月。そこそこの大企業のエンジニアリングの部門に入った私ですが、たくさんのカルチャーショック (?)がありました。
1. 大学院卒と明確に身分が区別されている。技術職で入ったので当たり前ですが、有名大学修士卒の総合職の方々とはスタート時点で明確に区別されていました。私自身若かったのもあり、能力には自信があるのに身分違いにより仕事内容が制限されたり待遇に差があるのがすごく悔しかったです。この世の中が学歴社会であることを実感しました。
2. 仕事がすごく面白くない。仕事現場では先輩社員の方々に丁寧に指導していただきました。しかし、毎日同じルーティンですぐに仕事に飽き、毎日脳細胞が死んでいくのを感じました。自分が入社前に思い描いていた成長曲線と著しく乖離しており、この会社で過ごす時間が長くなるほど自分のキャリアにとって不利だと強く思っていました。
3. 自分の専攻分野の知識が活かされない。自分にとって意外だったのですが、これはかなり退職意欲に繋がりました。私は電気電子を専攻していたので、電気のスペシャリストになる気マンマンでした。現場にある電気関連の装置(配電盤とか)を余裕で触れるつもりでいたのですが、社内独自の資格を取らないと触ることができませんでした。その資格というのがオームの法則とかすごく基礎的なところを理解していれば良いというものでした。その社内資格を取りたくても資格許可出す社員の方が忙しくて機会が与えられませんでした。電気関連を触るときはその資格を持つ社員に声をかけて作業してもらっていました。自分の専門知識をないがしろにされている気分でモヤモヤして、とても悔しかったです。

そしてニートへ

実は入社して1周間以内に大学院に進学しようと決心していました。ここは私とマッチする場所じゃないと直感で感じていたからです(それは上述の通り合っていました)。入社1年目の年末年始に実家に帰省したとき、「一生のお願いがある。会社を辞めさせてほしい。大学院進学したい。」と親に正直に言いました。ありがたいことに、親はそれを受け入れてくれました。
退社のときに面白い話がいくつかあるんですが、それはまた別の機会に。
3月末に退社し、それからは8月の院試に備えて勉強とグータラの日々。
合格後はバイトしながらプログラミングの勉強。

気づけば会社で働いて貯めてあった200万円弱は修士入学前にはほぼ0に。。。遊びまくってたから当たり前か。
修士課程の生活費のために修士入学前に申請できる奨学金にいくつか申請しましたが全部落選。月20万円もらえる奨学金の面接までいったのに、面接で手応え全くなくてしっかり落ちたー!だいぶへこんだ。
日本学生支援機構の予約採用を申請しました。


修士1年(出費編)

家(5万円)

東工大には提携された寮や、東工大自体が所有している寮があります。私が入寮したのは水道光熱費ネット環境込みで月5万円の寮でした。大学にめちゃくちゃ近くて(というか大学敷地内)、通学が楽でした。この寮は修士1年の間しか住めないですが、とても助かりました。
コロナがまだ終わり切っていなかったのであまり寮内イベントや交流はありませんでしたが、活発な人なら友達が増やせるかもしれません。

通信費

どこかの米倉さんが言っていましたが3大キャリアの通信費高すぎます。私は社会人1年目に自分でスマホ代を支払うようになってその高さに愕然とし(確か8,000円とか。。。)、怒りの解約&格安SIMへの乗り換えをしました。
月6GBという制約付きですが、月2,000円以下になりました。wifi使うことが多いので通信制限はあんまりこないですね。さっき契約確認したら料金変わらないのに月12GBになっていました。よくわからん。。。

食費(3~4万)

「まいばすけっと」というイオン系列のスーパーが近所にあったのでそこで食料品を購入していました。ただ、寮のキッチンが共用で私はあまり人と交流したくなかったので自炊はほどんどしませんでした笑。自炊をしなくて、出来合いのものばかり食べていたので食費は割りとかかりました。食生活は人それぞれなので頑張り次第で出費を減らせますね。

授業料(0円)

東工大は前期後期合わせて635,400円の学費がかかります。しかし、授業料免除の制度があるため、全額もしくは半額免除の可能性があります。私はありがたいことに修士の2年間全額免除をいただきました。ちなみに独立生計ではないです。

娯楽等(3万円くらい?)

月によって遊ぶ機会が変わるので一般化できないですが、大体隔週で東京のどこかに遊びにいってました。地方からでてたので、やはり東京のどの場所にいっても魅力的で退屈しませんでした。知り合いのおじさんが言っていた「東京は金ある人には天国」まさにその通りだと思いました(私はカツカツ)。

引っ越し(55万くらい)

寮が1年しか住めない契約なので3月から住む家を探さなければいけませんでした。一応メリットとしては、1年間住んできてある程度東京の土地勘わかってきてからの家探しだったためスムーズにいったことがありますかね。私はできるだけ大岡山のキャンパスに歩いていける距離が良かったのでキャンパス周辺に家を借りました。
引っ越しは人力独力でやりました。ちょっとずつ家具を新居に運んで(物理)、家具を買い足してってやっていました。デスクトップパソコンとか重たいものはさすがにタクシー使っていました。そのおかげで引越し業者使わずにすみました。
じゃあ55万円は何につかったのかというと、まず新居の家賃と敷金と仲介手数料です。これで30万円消えました。礼金がないだけましですね。あとは電化製品。洗濯機と冷蔵庫で6万円(ニトリの安いやつで十分)。最後に贅沢品として、作業のためのクソデカ机(10万)とベッドフレーム(ニトリ4万)とリクライニングチェア(4万)などです。
やはり引っ越しはお金かかりますね。。。

修士1年(収入編)

収入全部さらけ出します。
1. 日本学生支援機構第一種:88,000円
2. 日本学生支援機構第二種(4月~11月):100,000円
3. ◯◯育英会(6月~):60,000円
4. リサーチアシスタント(RA)(11月~):50,000円(年額50万上限)

どうですか、借りまくってるでしょう。
修士課程では日本学生支援機構で借りられる上限は188,000円で、私は上限まで借りていました。これは後々の授業料や引っ越し見越してのことです。
もちろんそれだけでなく、いろんな財団の給付型奨学金に応募しまくっていました。その結果、ありがたいことにとある育英会に拾っていただきました。これでかなり楽になりました。
また、私が所属している研究室ではやる気があって、研究を頑張っている学生にはリサーチアシスタントとして雇用してくれているという話を先輩から聞いていました。なので私は教授に直談判して、博士課程行くのでRAください!と正直に言いました笑。これでかなり楽になって、第二種奨学金を借りなくてもなんとかやっていけるようになりました。

修士2年

出費で修士1年と変わったのは家賃くらいですね。私は今7万円のところに住んでいます。大岡山北側で学生一人暮らし7万は平均値くらいだと思います(不動産の人が言ってた)。これが池上線沿いとかになってくるとさらに下がります。私は都心へのアクセスや街の雰囲気で決めました。
収入は修士1年と変わらず。第二種奨学金は借りていません。免除の制度がないからね。

後悔というか、気づくの遅かったこと

東工大には他大学と同じように卓越大学院プログラムがあって、そこに修士課程から属するとRAが5万円もらえます(年額50万円)。博士課程に行くことがマストですが、博士課程に進学する決心が早い段階からできている人は所属するのをおすすめします。このRAは研究室でもらっているRAと重複できます。

期待

修士2年の2月に日本学生支援機構第一種奨学金の免除申請があります。これは、修士在学中に優秀な結果を残していたら全額or半額免除してもらえるというものです。結果は半年後くらいにきます。
免除してもらえるといいなあ。

まとめ

いかがでしょうか。これが私が修士課程で過ごしたリアルお金事情です。
私のわがまま・贅沢で大学院進学しているので、できるだけ親には迷惑をかけたくなかったですが、そのようにできたと感じています(扶養してもらっているけど)。収支としては貸与奨学金で2,912,000円の借金です。もし全額免除してもらえたら800,000円の借金です。ですが、私はこれだけの借金を取り返せるくらいの経験・スキルアップをしたと実感しています。社会人時代に対して、大学院生の今が圧倒的に幸せです。仕事で悩んだ日々や院試勉強を頑張った期間は無駄じゃなかったし、私の選択は間違いじゃなかったと言い切れます。
ちなみに博士課程は給付型奨学金のみで生活できるようになりました。そこも別記事にしようと思います。

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