割り切って簡単に考える! 知りたい、エキスパンダーの適応と選び方


対象:形成外科医、乳腺外科医

レベル:エキスパンダー・インプラントを用いた乳房再建の経験がなく、乳房再建をこれから始める医師

エビデンスレベル:Writerの経験による独断に基づいた解説

(はじめに)

 乳房再建は患者のニーズがますます高まり、形成外科医や乳腺外科医として無視できない領域です。形成外科医と乳腺外科医が連携して治療を行うことができれば、地域の患者様のニーズを掘り起こし、両診療科および病院にとっても安定した“売り”を提供することができるようになります。患者様やそのご家族にとっても、家から近い通い慣れた地域の病院で治療を受けることができるということは大きなメリットになります。

 

 実際にはエキスパンダー・インプラントだけでなく、自家組織(広背筋皮弁術やマイクロサージャリーを用いた遊離腹部皮弁)を用いた再建術もありますが、エキスパンダー・インプラント法だけで、個人的な経験では7-8割程度の患者様の乳房再建のニーズを満たすことが可能な印象があります。残りの3割に関しては、自家組織再建が可能な施設に始めから紹介する、もしくはエキスパンダーのみ留置し自家組織への入れ替えの時点で紹介するという方法を取れば良いのです。エキスパンダー・インプラントの施行には、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会の認定を受ける必要はありますが、特殊な手術器具や設備の導入は不要であり、また手術時間や人員を圧迫することなく、実施することが可能です。

 エキスパンダー・インプラントは2013年に保険適応になったばかりであり、治療法のメリットとデメリットを十分に提示し、実際の手術と術後フォローを行なえる形成外科医や乳腺外科医の体制が追いついていない現状があります。  

 何がエキスパンダー・インプラント法の実施を躊躇させているかというと、それは“その適応と選び方”ではないでしょうか。この適応と選び方について、私の経験と独断から“簡単”&“シンプル”に解説します。

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