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47都道府県 行ってみたい・もう一度行きたい 美術館 【中部地方編】

 「こんな時だからこそチャレンジしてみたい、 《おうちでアートを楽しむ10の方法》」の2つ目。

② 外出できるようになったら行きたい美術館をリストアップしてみる。

 美術館再開の情報も少しずつ挙がってきましたね。嬉しいけれど 遠出はもう少しおあずけでしょうか。

 今回は中部地方。(山梨、長野、新潟、富山、石川、福井、静岡、愛知、岐阜)( 【北海道&東北地方編】 【関東地方】はこちら。)

※ 選んだ美術館・アートスペース のポイント

・「まだ行ったことがないけれど行ってみたい美術館」と「もう一度行きたい美術館」をピックアップ(※ 行ったことがないところを優先)
・ここでしかみられない作品や特徴的なコレクションがある
・建築に特徴がある
・コアなアートファンでない方にもオススメできる

15) 新潟県:現美新幹線

 2016年に「走る美術館」というコンセプトで生まれ、越後湯沢〜新潟間を約50分間で走行する新幹線。外装デザインは蜷川実花さん。そして、客車は、写真家・石川直樹さんや、生き物をモチーフにした作品を制作するAKI INOMATAさん、アートユニット・目でも活動する荒神明香さんら7組のアーティストが1アーティスト1号車ずつ担当されているそうです。作品と景色を合わせて楽しんでいくと、50分では見切れないかもしれないですね。

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「大地の芸術祭」冬会期。「雪花火」に合わせて展示される、高橋匡太さんの雪アートプロジェクト《Gift for Frozen Village》(写真は2016年のもの)

 新潟といえば、「大地の芸術祭」「水と土の芸術祭」といった芸術祭のためにつくられた作品も魅力的です。光のアーティスト・ジェームズ・タレルによる「光の館 - House of Light」は、芸術祭期間以外での宿泊も可能で、宿泊して変化していく作品を1日体験してみたいなぁと思います。また、大地の芸術祭は3年に1度の夏会期以外にも、季節ごとに 作品&アクティビティを楽しめるツアーを開催していて、こちらもオススメです。(今年の冬も参加予定でしたが、残念ながら中止になってしまいました…)

 前川國男さんが最晩年に設計した建築である新潟市美術館も未訪問なので、行ってみたいです。

16) 富山県:入善町下山芸術の森発電所美術館

 黒部宇奈月温泉から車で15分ほどの場所にある、水力発電所をリノベーションした美術館。発電器や導水管がそのまま残され、天井高が約10mと普通の美術館にはない創造空間があるそうです。常設展示はなく、現代アーティストの現地制作による新作展を中心に開催している美術館。今年は10月24日から栗林 隆さんの個展を開催予定です。

 過去のヤノベケンジさんの個展の映像(下記、Youtubeから引用させていただきました)などをみると、普通の美術館ではとてもできそうにない展示も行われている様子です。

 また、デザインミュージアムであり、デザイナー佐藤卓氏が手がけたオリジナル遊具やポスターや椅子などのコレクションも見応えのある「富山県美術館」、隈研吾さんによる設計で、ガラスと鏡で彩られた外観と、木材をふんだんに使った内装がユニークな富山市ガラス美術館 はまた行きたい美術館です。

17) 石川県:中谷宇吉郎 雪の科学館

 美術館ではなく科学館ですが。世界で初めて人工雪をつくることに成功し、「雪は天から送られた⼿紙である」という言葉も有名な石川県出身の研究者・中谷宇吉郎さんを記念してつくられた科学館。館内では雪に関する実験の展示や映画の上映のほか、中庭には、娘さんでありアーティストの中⾕芙⼆⼦さんによる「霧の彫刻」が常設されているそうです。雪をイメージした六⾓塔3つを配置して設計したという磯崎新さんによる建築も気になります。

 このほか、SANAAによる外に開かれた建築と レアンドロ・エルリッヒによる《スイミング・プール》が有名な「金沢21世紀美術館」、谷口吉生さんの設計で「水鏡の庭」を有する鈴木大拙館など、建築が魅力的な美術館・博物館も多数ありますね。

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《スイミング・プール》/ レアンドロ・エルリッヒ (2009年訪問時)

 今年の夏にオープン予定の国立工芸館(元・東京国立近代美術館工芸館。東京から移転。)もオープンしたら行ってみたいです。また、世界各国の現代ガラス作家の造形作品を中心に400点近くの作品を収蔵してい「石川県能登島ガラス美術館」も広い庭を持ち、気持ちが良さそうです。

18) 福井県:金津創作の森

 東京ドーム約4個分に相当する20万平方メートルもの広大な森の中に、青木 野枝さんや河口 龍夫さんの屋外作品が常設されているようです。独自の企画展が開催される美術館「アートコア」のほか、アトリエゾーン、ガラス工房棟などを持ち、自分でガラス細工や陶芸などを楽しむこともできるそうです。

19) 山梨県:清春芸術村

 廃校になった清春小学校の跡地につくられた文化複合施設。安藤忠雄さんの設計で 自然光のみで作品を見る美術館「光の美術館」では年に数回現代アートの展示が開催され、また、白樺派が愛したルオーの作品をはじめ、東山魁夷や岸田劉生らの作品を展示する「清春白樺美術館」「ルオー礼拝堂」は谷口吉生さんの建築。また、藤森照信さんの設計で、樹齢八十年の檜の上につくられた「茶室 徹」など、作品だけでなく建築も楽しめそうな場所です。

茶室徹

茶室 徹(清春芸術村 Webページより)

 このほか、生命(いのち)あるものへの共感 / 生命(いのち)あるものへの共感 / 若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ といった、ユニークな基本理念で作品を収集する写真美術館・「清里フォトアートミュージアム」坂茂さんによる設計で、建物の中心になる展示棟を、木格子を組み上げた逆円錐状の「逆さ富士」の形にデザインした「ふじさんミュージアム」、自然とアートの共存を目指したという美術館で、2009年度版ミシュラン観光ガイドで3つ星を獲得したという「久保田一竹美術館」、ミレーの《種をまく人》を中心として、ミレーやバルビゾン派の作家のコレクションで有名な「山梨県立美術館」なども行ってみたい美術館です。

20) 長野県:軽井沢千住博美術館

 日本画家・千住博さんの作品およそ100点を収蔵する美術館。SANAAの西沢立衛さんによる建築は、既存の敷地地形に合わせてゆるやかに傾斜した地面とそれに合わせてゆるやかなカーブを描く天井、そして、美術館としてはめずらしく、ふんだんに外光を取り入れた心地の良い展示室を有しています。また、美術館を取り囲むカラーリーフガーデンにはどの季節にもさまざまな色合いの植物を楽しむことができ、こちらも心地が良いです。

 このほか、草間彌生さんの出身地松本市にあり 屋外にも展示室内にも草間彌生さんの作品を多数常設する松本市美術館や、西武百貨店池袋店時代の8階催事場、西武美術館、セゾン美術館にて開催された展覧会の作品を中心とした現代美術を扱い、菊竹清訓さんによる建築や広大な庭園内で若林奮さんやイサム・ノグチさんの作品を楽しむことができる「セゾン現代美術館」は、また訪問したいなぁと思います。

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松本市美術館(2017年訪問時)

 日本人の現代アーティストの作品を中心に所蔵する「軽井沢現代美術館」、黒川紀章さんによる印象的な建築を有する「志賀高原ロマン美術館」全9点のアンリ・ルソー作品を有する、産業用ロボットのメーカー(株)ハーモによる私設美術館「ハーモ美術館」などは未訪問ながら気になっている美術館です。

21) 岐阜県:養老天命反転地

 養老公園の中にある施設で、荒川修作氏とそのパートナーで詩人のマドリン・ギンズ氏の30数年に及ぶ構想を実現した、身体で直接体験できるアート作品。「極限で似るものの家」と「楕円形のフィールド」の2つのメインパビリオンで構成されているようですが、傾斜や起伏も多く、「日本一危険な公園」とも言われているようです。Webページで写真を見ているだけではなかなか全体がつかめないこのスペース。ぜひ、実際に訪問して体験してみたいです。

 建築家・藤森照信さん設計で「粘土山」を思わせる外観が個性的であり、タイルの歴史やタイルでつくられたアート作品など、個性的な展示を有する「多治見市モザイクタイルミュージアム」、墨象作家・篠田桃紅さんの大規模なコレクションを有し、その展覧会と現代アートを絡めた展示を行なっているという「岐阜現代美術館」、磯崎新さん設計で地形に沿うよう自然と一体となった建物が特徴的なセラミックパークMINOの中にある「現代陶芸美術館」も気になる美術館です。

 今年は開催年ではなく、数日間のみの開催ですが、真鍋大度さんや、クワクボリョウタさん、長谷川愛さんなど、多数のメディアアーティストを輩出している情報科学芸術大学院大学(IAMAS)で開催されている「おおがきビエンナーレ」にも行ってみたいです。

22) 静岡県:クレマチスの丘(ベルナール・ビュフェ美術館、ヴァンジ彫刻庭園美術館、IZU PHOTO MUSEUM)

 敷地内にベルナール・ビュフェ美術館、ヴァンジ彫刻庭園美術館、IZU PHOTO MUSEUM、井上靖文学館の4つの美術館・文学館を有し、花・アート・食がコンセプトの複合文化施設。この中の「IZU PHOTO MUSEUM」の建築は、杉本博司さんと榊田倫之さんによるユニット新素材研究所によるもの。ベルナール・ビュフェ美術館・ヴァンジ彫刻庭園美術館では、名称を冠したアーティストの常設展示だけでなく企画展も開催されているようです。美術館だけでなく、広大な庭園内にはクレマチスをはじめとする多数の植物が植えられていて、こちらの散策も気持ちが良さそうな場所です。

 このほか、こちらも新素材研究所が展示スペースの設計を手掛け、国宝3点・重要文化財65点を含む約3500点の貴重なコレクションや黄金の茶室などの展示も魅力的な「MOA美術館」藤森照信さんと内田祥士さんによる自然素材を生かした建築が特徴的(しかも 靴を脱いで上がる珍しい美術館)で、インドを主題にした作品群も印象的な「秋野不矩美術館」、地獄の門をはじめとするロダン彫刻を収蔵する「ロダン館」や、伊藤若冲の≪樹花鳥獣図屏風≫、また富士山絵画のコレクションなどもユニークな「静岡県立美術館」なども再訪したい美術館です。

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MOA美術館からの風景(2009年訪問時)

23) 愛知県:佐久島

 「アートの島」といったら直島が有名ですが、三河湾にある佐久島も本当に気持ちが良くて、ぜひ再訪したいアートスポットです。木村崇人さんや青木野枝さんによるアート作品のほか、「おひるねハウス」「イーストハウス」といった、建築家・南川祐輝さんによる建築とアートの中間のような気持ちの良い作品も。レンタサイクルもあり、作品を見るだけでなく、島巡りも楽しい場所です。

 大きな池に浮かぶように見える谷口吉生さんの建築が印象的で、クリムトやシーレ作品、シュルレアリスムの作品群のコレクションと、現代アートのコレクションも魅力的な「豊田市美術館」は何度も行きたい美術館です。クリムトの《人生は戦いなり(黄金の騎士)》をはじめとした国内外の20世紀美術のコレクションが充実した「愛知県美術館」や、黒川紀章さんによる建築が印象的な「名古屋市美術館」も印象に残っています。

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豊田市美術館(2020年訪問時)

 化粧品メーカーのメナードが有する美術館で、印象派からフォーヴィスム、キュビスム、抽象絵画、そして現代へといたる19世紀後半から20世紀の近代美術のコレクションに力を入れている「メナード美術館」や、美術館ではありませんが、中部国際空港内にあるチームラボによる体験施設「FLIGHT OF DREAMS」にも行ってみたいです。

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 次回は【近畿地方】(三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)をみていこうと思います。

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