寝たきり58歳 ー 意識の流れ
意識の流れ。
例えば昨日の中山メイン、マーチS(中山ダート1,800m・G3)で誰が勝つか。単勝は誰を買うか。ふつうスワーヴアラミスでしょう。
ここまでは良い。俺も勝つのは彼と見極めた。だって前走、あのロードレガリスと好勝負してるしね。
◆スワーヴ氏の前走・アルデバランS https://youtu.be/1gSRW9pDLME
ところが私は。
「1着がスワーヴアラミスと決まったんなら、ここは三連単でしょう」と。
1着2着は着順どおりに当てました。しかし3着にノーマークの馬が飛び込んで来ました。自爆。
こんな意識の流れを日本で初めて明らかにしたのが漱石。彼はスワーヴアラミスもマーチSについても何ら言ってないけど。
詳しくは『文芸の哲学的基礎』(岩波文庫『夏目漱石講演集』所収)を一読ください。
外国で「意識の流れ」を明示したのはヘンリー・ジェイムスですね。『ねじの回転』。
英国の片田舎に家庭教師がやってくる。地元の名士に雇われたもの。
広い庭園、京都競馬場みたく内馬場に池。金魚草にカンパニュラ、クリスマスローズなどが咲き乱れておる。
調教、もとい教育すべしは2人の子ども。たしか上が女の子で下が男の子。
しかして怪異現象が発生す。どうやらここには幽霊がいるらしい。
幽霊は子どもたちを連れて行こうとする。家庭教師は ー サウンド・オブ・ミュージックのジュリー・アンドリュースみたく ー 子どもたちを必死に守る。
ドレミの歌か何か歌いつつ。← ここだけエイプリルフールです。
◆サウンド・オブ・ミュージックより https://youtu.be/drnBMAEA3AM
伝聞体かつ家庭教師の昔話という入れ子構造で、これはホンマの話か彼女の妄想かも判然としない。ホラー好きにはマストアイテムも、ポイントはむしろここ。すなわち幽霊譚も構造自体も曖昧模糊で、いわば「意識の流れを明示した(に過ぎない)」。
『ねじの回転』は、心理小説の名作と言われています。
夢は、必ず現実にあったことがベース。小林秀雄が大好きな哲学者ベルグソンも言ってますね。
「記憶は全て保管されている。修学旅行で奈良へ向かう途中、阪神高速に落ちていたクールミントガムの包み紙でさえ。忘れたというは、その記憶にアクセスできないだけ。記憶自体は今まで見たもの聞いたこと全て、人の脳には保存されておる」
彼は ー つーか小林秀雄は ー だから死ぬる時、走馬灯のようにこれまでの一生が現れ、つまり逆に言えば、只今リアルの事に注意を失うからだ。そう書いています。
しかし夢は、かくなる記憶だけでは構成されない。願望や創作がそれに加わる。
※だから「夢想」と言うのかも知れません。
カフカなんてそうですね。『変身』(実は仮面ライダーの元ネタ) にせよ、父親に「おまえ、直ちに死ね!」と言われて橋から飛び込むアレにせよ。
つげ義春も同じです。夢が作品の基本で、現実に〝夢想〝がプラスされておる。単にレトリックの問題だけじゃなく。
ことほど左様に意識の流れは興味深い。俺は前職の知見を活かし、コンピューター的に分析したことがあります。別途詳述しますが、これは無理っす。おそらくAIでも。
昨今、有名人もコロナウイルスでアレですね。彼らを俺は、ただ悼んだり遺憾に思うだけ。
ところがネットのコメントじゃ「志村けんさん、残念です」「クドカン、頑張れ」の一方、
一般人に対しては
「自己責任。おまえ、ウイルス撒き散らすなよ!」
強烈な違和感。これもまた「意識に流れ」なんすかね。志村さんやクドカンは偉いけど、一般人は知らないから叩いても良し! みたいな。
漱石やカフカ、ヘンリー・ジェイムスにつげさんとは比べようもないけど。
あまりにクズ過ぎて、同じ俎上じゃ失礼だけど。
そんなこんなでルー・リード。
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