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不明なスケール / 打てば響く

仕事というのは競争ではない。特に介護や看護は。他を良く知らないっていうのもあるのだが、少なくとも営業の数や売り上げを競うようなことはない。
というよりは、むしろ一人では何もできないので、いかに協力し合えるか?ということに仕事の成果がかかっている世界でもある。

そんな中で最近よく言われるのが「もうですね。」という言葉。「先に入った派遣さんたちも正社員の人たちのことも、もう追い抜いちゃいましたね。」ということ。

追うとか抜くとか言っているということは、何かで測っているのだということが推察される。仕事量だろうか?速さだろうか?それとも発言の数だろうか?
とにかく色んな意味で嫌だ。
それを言う意図は「もっと頑張れ」ということなのか、単に褒めてくれているだけなのかも知れないが、知らないところで比較されていたり望まぬ価値やスケールで測られているというところが嫌だ。

が、あきらかにそれを望む人はどこにでも居るもので、そういう方々が不機嫌になってしまったり、勝手に鬱々とした空気を醸し出していたり、性質によっては、あからさまな意地悪をして来たりする。
書いていて気が付いたのだが、嫌だなと思う大きな原因の一つは、まさにこれかも知れない。こういうのが面倒で仕方がないのだろうと思う。

とは言うものの、分かることが増えるというのは、やっぱり嬉しいもので、まだまだたいしたことはないのだが、今日もまた少しづつ新しいことを覚えて帰って来た。

***

朝礼が終了したら、すぐに薬のダブルチェックをしなければならないのだが、皆が別々の仕事をし出した。ダブルチェックというくらいなので二人でやらなければならないのだが、誰も来ない。しかも、その薬は当日の昼、つまりはあと2時間後には直接人の口に入る薬ばかりだ。

今やらないといけないのに、何で皆ここに来ないのだろう?これも意地悪か?
気が付かないふりして、背中に目がついているかのように、こちらを意識なさっている人ばかりなのだが?
と考え込んでいても仕方ないので、大声で言った。
「何でも言うこと聞くから、誰か一緒にダブルチェックしてください!」

爆笑された。
その爆笑したメンバーの一人が「そんなリスクが高い約束して良いんですか?」と言いつつも隣に座り、一緒にチェックをしてくれた。あざーす!

言うこと聞くと宣言したというのに、その後何かを要求して来る人は一人も居なかった。というより、こちらが頼み事ばかりしていた一日だったような。

どんな人でも指示されるよりは「助けて下さい。」とお願いする方が協力してくれる。
「ありがとうございます。」を沢山言葉にする一日は、とても楽しい一日だった。

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