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逆効果だってば

先日、勤務態度が悪い子にK主任が注意したところ、逆キレして帰った子がいて、その後、その課の課長がKちゃんに「謝罪の電話を入れろ」という指示を出していた。

私の身体がきつい」という理由で、利用者様の口腔ケアやオムツ交換をサボる子で、遅刻の常習犯。

そういう子と一緒に働いていると真面目に頑張っている子がどんどん病んで来る。ここ数年間、目に涙をいっぱい溜めて「話を聴いて下さい。」とやって来る子たちの言い分を聞いていると、大抵は「もっともだ。あなたが正しい。」ということばかり。

何故職種が違う私のところへ言いに来るのか?と言うと、それは同じ課の課長へ言っても何も変わらないから。

何せ彼は雰囲気を重んじる人で、仕事をクラブ活動か何かと勘違いしているので揉めないことが第一。

つまりは頑張っている子たちにサボっている子の分まで「我慢しろ、耐えろ、謝罪しろ」しか言わない。おかげさまでその下のKちゃんはいつも嫌われ役を買って出ていて心労が絶えない。

価値観の違いなんて言葉があるのだが、残念ながら医療や介護の現場では、そういう問題じゃないよ?ということの方が多い。自分でケアが出来ない人の口の中は綺麗にしてあげなければならないし、オムツ交換を絶やしてはならない。認知症で孤独に苦しんでいる高齢者を「モンスター」呼ばわりしてはならない。そのために学んでいるし、現に給料を貰っているはず。価値観も多様性もへったくれもない。

今度こそ、そちらの課長と話さなければならないと思っているのだが、4日も5日も勤務がすれ違って話せていない。今度会えた時に果たして話せる時間があるのかさえ分からない。

ところで、先日「謝罪はしません。」と言ったKちゃんに、彼は「・・・・。分かりました。少し日にちを置きましょう。」と言った。

彼は、一番あかんことを言ってしまったなと思う。

もう何年間も論理的に話して問題を訴えかけている部下たちは、Kちゃんを筆頭にたまたま女性だった。彼の場合は自分に不都合なことや面倒に感じることを言って来る子たちは皆「感情的になっている。女だからな。」と捉える癖がある。

それで「冷静になってから話しましょう」とか「時間を置きましょう」というのが口癖になっているようなのだが、そのままそれっきりになった問題が、もはやエベレスト級。

そんなわけで、その常套句が出た瞬間、聞きなれている彼女たちは「あ、ダメだ。こりゃ。」とあきらめる。「この人に言ってもダメだな。」

馬鹿にしているつもりが馬鹿ではなく、逆に見限られているという現象が起こっているのだが、変わることはない。何せ雰囲気が大切で「いつも皆で仲良く」が守られていれば良いわけだから。一番仲良くできないパターンなんだがな、それ。

その重苦しい空気があれから色々な人の笑顔を奪っているわけだが、仮に話し合いが叶ったところで突然良くなるとは思えない。

なので、やはりやる気がある人たちだけでもエネルギーを奪われることなく、やるべきことをやって行くしかないのだろうと思う。

それにしても、人に嫌われたくないがために選択する方法によって、全てをダメにしてしまう人が多すぎる。

時間が経てば経つほど、ただでは済まされなくなるわ。

などと重苦しいことを考える日々にも食べてお風呂入って寝る。

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