見出し画像

永遠の勘違い(気づくまでは)

2~3週間前からつい最近までは仮病や無断欠勤する人の人員不足に悩まされていた。何せ老人ホームの看護師は元々少ない人数で回しているもので。

しかも、無断欠勤でない方の方、つまりは一緒に回して貰わないとならない方のナースは、意味不明の承認欲求が強い人で終始口が動いて手が動かないタイプ。

何をどう言ったら良いのか分からなかったが、これまで閉じていた口を開き、何の仕事をしているのか?ということや、それだとどんな危険なことが起こるのか?ということを伝えて話し合った。

一旦解決したものの、人はそうそう変われるわけではないと分かっている。何せ、それは表面的なことではなく、その人のこれまでの生き方や根深いトラウマが引き起こしている症状だから。

その根本を他人に解決できるはずはないので本人に解決して貰うしかない。

交流の仕方があきらかに変わったのは私が役職についてからだった。突然私を親代わりにして「自分はこんなに頑張っているんですよ」と、あの手この手で主張して来るようになった。いや、手は動かさずあくまで口で説明して来る。長い長い時間を他者から奪って。

一つ言い訳をすると、何か足りないと思うらしく延々と説明が続く。それもそのはず、大元の言い訳というスタートの仕方が間違っているのだから。

こういう方は褒めて伸ばせば良いとよく耳にする。しかし、そんなに甘いもんじゃない。自分で自分の願いを叶えず、自分で自分を飢えさせて来た人の渇きというのは底知れない。ますます『私だけを見て』に拍車がかかるばかり。

私は親代わりのように交流はしない。そういった期待には一切応えない。無駄だと分かるし何のためにならないし、その間に利用者や患者が悪くなるから。

次に来るのは憎しみだと分かっている。自分を愛さないなら恨んでやるというかつての親、もしくは親代わりの人へぶつけるそれと同じパターンを再現して来る。この手の人は相手を変えて延々と同じパターンを繰り返す。だから、転々としている。

ボスは私に連休中、しっかり休んで欲しいと言ってくれたが、今日はこのナースの半端なライン報告でハラハラしていた。
ある人が発熱しているが抗原検査は陰性だから隔離して様子を見るという。未だに病院はコロナの可能性がある人を診てくれないケースがあるので、その気持ちは少しは分かる。

しかし、二日連続で高熱を出していて陰性となると、他の病気を疑い受診すべきなので指示を出した。頼むから週明けまで放置しないで欲しいと返信をした。

それきり返信が来なかった。

何時間も待ったが、やられていることが、だいたい想像がついた。この方は私が親代わりをしてくれない、認めてくれないと強烈な不満を抱え、今度は施設長へその感情を向けているので、私には報告せず施設長に報告するという手段を取り始めていたから。そこには『あの人、使えません。分かってくれません。』というメッセージが込められている。

このことを思い出したので、いつまでもラインの返信を待つのは止めた。
施設に電話をして介護職員から状況を直接聞くと、利用者さんはお薬を処方され無事に施設へ戻って来ていることが分かったのでほっとした。
さらに施設長へ報告すると、やはりそのナースからかなり早い時間に報告が来ていたとのこと。

なので、私は『介護職員のMさんと施設長から詳細を聞きましたので、このラインへの返信はしなくて大丈夫ですよ。』と打って終わらせた。

すると秒で返信が返って来た。『遅くなってすみません。○○さんは・・・』と延々と、しかも細切れで続く長文だった。

ずっと自分のラインを待っていて欲しいという彼女のゲームは崩れた。私はその長文に返信を返さなかった。
誰も待たないよ。

プライベートは自由だ。
でも、仕事に影響が出るほどの心の傷はプライベートでケアして欲しい。一生気が付かなかったでは済まされないことが起こるから。

『そういう人は褒めて伸ばしてあげるといいんだよ。』

褒めるか。職業柄、その間に誰か死ぬわ。

いつまでも人に全てを満たして貰おうなどと思わないで欲しい。(公の場では。)
もしも、自分自身や、プライベートでの身近な誰かにそれをして貰えないのだとしたら、そうなってしまった原因を考えて欲しい。(自分で。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?