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他でやって欲しいけれども

今日は、この施設ではまだ慣れていないリーダー業務だったのだが、高齢者さんたちに具合が悪い人が居て大忙しだった。

手伝ってくれる人と邪魔をする人、その両方が居た。

邪魔する人の話だが、その人は私がリーダー業務をやると知った途端、いつものパターンが色濃く出た。

手伝ってくれているナースさんの悪口をいつも吹聴する人なのだが、今日は特に私に向かって「あの人はほんとにダメなんです。私がいつもフォローしています。」というアピールを一日中していた。
何か権威に反応するらしく、相手によって声音や態度も変わる人なのだが、それが丸見え。

おそらくだけど、この人は幼い頃から兄弟だか姉妹間でこんなことをやって来たのだろうなと思う。
やっても良いけど、そこを解決しないまま大人になったので、ずっと誰かに告げ口をし続けている。「あの子はダメな子です。私の方が良い子です。出来る子です。」と。
しかし、もう四十路も過ぎているだろう。もしかしたら五十路かも知れない。
自分を見つめない、向き合わないということは恐ろしいことだなとつくづく思う。
何も関係のない人々に迷惑をかけ邪魔をし続けるのだから。

ところで、簡単に騙される周辺の人と違って私の反応が薄いので余計に白熱して下らない陰口を言い続けていたが、本当に忙しかった。
申し訳ないけど、こういうことをやめて欲しいと表現した。

すると、陰口を言われていた方の子が、「え?」と言い、「分かってくれるんですか?」と、何とも言えないほっとしたような顔をした。ちょっとウルウルして顔が真っ赤になっている。(そこに居たとは気が付かなかった。)

「誰も分かってくれないと思ってたのに。」と。

うまく言えないのだが、ずっと我慢していたのだなと思った。一方で陰口や告げ口を言い続けていた彼女の表情は歪んでいた。
でも、それを正そうとも思わないし他人に正すことは出来ない。一緒に歪んで見せるのも違う。

こういうのが面倒くさいなあと常日頃思うことが多いのだが、度が過ぎる時はハッキリ拒否して良いのかも知れない。それで見えて来るものがある。
良いのか悪いのかは分からないが、言われ続けていた方の彼女が「これからは私も自分のことを自分で言えるようになります。」と言っていた。

何だか分からないけれど、業務というよりは、そういったことでへとへとである。でも、ちょっと良かった。

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